劇場公開日 2013年5月18日

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「この映画の世界の一員になりたい」きっと、うまくいく とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5この映画の世界の一員になりたい

2018年7月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

笑える

楽しい

長いですけどね、見終わるとすぐまた再生して、この世界に戻ってきたくなる。
 愉快、痛快、爽快。
 テーマソングが、交互に心の中でリフレインする。
 「Al izz well」大事な何かの前に、不安に取りつかれそうなときに唱えるお守りを手に入れた。
 そんな大事な大事な映画。

この映画が、インドで制作されて、インドで歴代興行成績No.1となり、インドで多数の賞を取ったということの意義!!!

正直、数十年前北インドを旅行したくらいで、インドをよく知らない。
 ネットで観る情報は悲惨な話。そんなことが今も行われているのかとビックリするような、大都市の公共の場で憚りなく行われるレイプ。持参金が少ないと焼き殺される花嫁。高位カーストの物を勝手に触ったというだけで殺された低位カースト。
 しかも、このことを問題視する有識者も多いけど、問題視されること自体が不思議でしかないという態度を取る人々も多い。
 経済成長著しくとはいうものの、カーストが廃止されたって話はまだ聞かない。

そんな先入観でみると、すごく意義深い映画。よくぞここまであからさまにおちょくってみせた、その勇気に乾杯。
 そして、これがインド国内でも受け入れられ、評価されているってことにまず身震いするほどの感動に見舞われる。

 親の意志やしきたり、カーストで、自分の人生が決まってしまう。
 大金かけて勉学できる子もいれば、勉強したいのに勉強できない子もいる現状。
  お金で買う学歴…。
 考えるよりも丸暗記で点が取れればいい。
そんな中で声高々に主張される「何になるかは自分で決めればいい」「ありのままの自分で良い」
 言葉の重みが違う。

大学は勉学するところではなく、就職するための予備校。
 インドの貧富の差を考えれば、エンジニアになることが、カーストの連鎖から抜け出すすべと思えば、そこにしがみつくのもわかる気がするけど。
 …日本の大学もそうなってますね。

そんながんじがらめの中を、好き放題していく主人公。
親友二人がうまく緩和して、バランスをとっています。

学生時代の悪戯は、ちょっとやりすぎだろうとか、
素人ながら、医学面でありえんだろうとか、
主人公三人とも、やっぱり実年齢に近い年代を演じていらっしゃる方が魅力的とかで、満点にはならないけれど。

すがすがしい映画です。特にラストの風景は絶品。これだけでもずっと見ていたい。
青春って良いですね。

ハリウッドやイタリアでリメイクという話があるけれど、
この映画の持つ勢いが、歌やダンスのノリがどの程度再現できるのだろう?と懸念する。
それなりの感動作、面白い作品になるとは思うが、
やっぱりこの映画の持つ独特の面白さはこの映画でしか味わえないんじゃないかと思います。

とみいじょん