ウォルト・ディズニーの約束のレビュー・感想・評価
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産みの苦しみと父と娘の絆の物語に思わず号泣した
この作品はあのウォルト・ディズニーが、映画「メリーポピンズ」を制作するに当たり、数々の困難を乗り越えてやっとの思いで、ディズニーが実の子供達と交わした子供の愛読書である「メリーポピンズ」の映画化と言う約束を果たす迄の裏話と言う展開だ。
簡単に言ってみれば単なる制作裏話的な、制作秘話をお披露目したような印象を持ちかねないこの映画の邦題であり、映画作品なのだが、その実態はそんな裏話というものではない。
この「メリーポピンズ」の原作者であるパメラ・トラバース自身の幼少時代の自分と父との家族の絆を描いた。心温まる愛情物語だ。
幼い少女であるパメラにとっては、父親バンクスは生きる夢と希望であり、自信を持たせてくれる彼女の中では完璧な存在であったが、そんな父は、理想と現実の狭間で苦しみ酒に救いを求め、酒浸りになり、挙句病床に伏し、遂には病死してしまう。
そんな父への想いを、父との夢に楽しい思い出を童話「メリーポピンズ」として執筆した彼女は、映画化に因って父と自分の思い出が汚される事を恐れ、ことごとくディズニーの製作方針に反対をし続ける。
そんな気難しい、パメラを名優エマ・トンプソンが見事に演じている。この作品は恐らく彼女無しでは存在しない。もしもパメラを他の俳優が演じていたら、ここまで素晴らしい映画には成り得なかっただろうと思う。
そしてこの作品のもう一つの見所は、イギリスからハリウッドへやって来たパメラの宿泊先のホテルから、彼女を毎日毎日仕事場である撮影所まで送迎するお抱え運転手のラルフとの友情物語としても素晴らしい作品であったと思う。
もしも、このラルフにパメラが出会っていなければ、遂に映画化する事は無かっただろうとも思うのだ。
ここに人の運命と出会いの不思議な縁と言う存在を感じずにはいられない!
この運転手をあの演技派俳優のポール・ジアマッティが見事な芝居を見せてくれるのだが、この2人を観ているとまるで、あの名作「ドライビング・ミステージー」を思い出さずにはいられない。完全に主役のトム・ハンクスは脇役である。
しかし、小説も映画もそうであるけれど、作品を世に送り出すと言う事はその作品自体よりも壮大なドラマが、作り手の中には存在すると言う事を見事に教えてくれる作品だった。
産みの苦しみと言うものは総ての物に付随する影のようなものなのだろう。しかし、その影がおおきければ大きい程、その作品が実現した時は喜びも大きい筈である。
エンディングクレジットの最期で実在のパメラ自身の声が流れるので最後迄じっくりと作品を味わう事をお薦めしたい作品でした。;
まったく、親ってやつは…
まったく、親ってやつは、家族ってやつは…。
辛い想いも愛しい思い出も、総てが自分の幹を形作っているのでしょう。それは、名をなした人達にとっても。
14インチのぼんやり白黒テレビを見慣れた子供がスクリーンで「メリー・ポピンズ」を観た驚きといったら!本当に夢の世界でした。
その夢の世界が生まれるまでのお話です。めんどくさい女性に少々辟易して観ていたのですが、気がつけば涙ぐんでいました。まったくね、家族ってやつはね。
メリーゴーランドの場面でのトラバースの表情がとても印象深かったです。
トム・ハンクスとエマ・トンプソンが軽妙でありながらしっかりしたものを心に残す名演、感動でした。コリン・ファレル、ポール・ジアマッティも、とても印象的でした。
父親と子供の絆
宣伝から想像していた内容と、ちょっと違ったけれど、ちょっと笑えて、泣ける良い映画でした!この映画では、4組の父親と子供の関係が描かれてます。もちろん大筋は、トラバース夫人でしょうが、なぜウォルト・ディズニーがメリー・ポピンズの映画化にこだわったのか、彼と娘との約束を守る為、彼がどんなに苦労したかが、伝わってきました。だから私には、邦題の"ウォルト・ディズニーの約束"の方がとてもしっくりします。
何かを成し遂げようとするエネルギーの源、家族愛が感じられる素敵な映画です♪
泣けた
ディズニーランドもミッキーマウスも虫唾が走るほど大嫌いなのだが、『メリーポピンズ』の原作者のおばさんがあまりに性格が悪すぎて、ディズニースタッフもウォルトも超気をつかっていて涙ぐましかった。ディズニーサイドに立って応援する気持ちになった。
実際『メリーポピンズ』の映画はクレイジーで面白かった。それが原作のおばさんのとても悲しい実体験に基づいたものであったという構成もすごく面白く感動的だった。
メリーポピンズのモデルになった親戚のおばさんが、さっそうと現れてお父さんの病気も一発で治してくれると思ったら、あっさりお父さんはアル中で死んでしまう。しかし、その時に抱いた万能感みたいなものへの期待が原型となってメリーポピンズは描かれたのかもしれない。
主人公のおばさんは、結婚しなかったそうなので、今でいうところの高齢処女だったのかもしれない。それならあのイライラもしかたがないものとして理解できる。
主人公のおばさんの子供時代、ギンティちゃんはとても可愛らしいのだが、どうしても映画ライターのギンティ小林さんを思い出してしまい困った。
たまたま去年午前十時の映画祭で『メリーポピンズ』を見ていたので理解できたけど、見ていなかったらチンプンカンプンだったかもしれない。しかし見ていても「バンクスさん」って誰だろうと最後の方まで思っていた。
少し面白い
1. メリーポピンズの原作者 トラバースと父親との交渉が映画中のバンクス氏に反映されているのだが、トラバース女史の高慢でギスギスした態度が強烈すぎて、映画の全体的な雰囲気を壊していると、感じる。
2. 原作の大きな魅力は魔女メリーポピンズ自体にあり、バンクス氏などは脇役に過ぎない。トラバースとバンクスの強い関係が原作と原映画の根底という解釈は、ピンとこないのである。
ウォルト・ディズニーも手を焼く女性。
「メリーポピンズ」の誕生秘話を描いた作品でありますが、原作者であるトラバース婦人の「メリーポピンズ」に対する想いから一切の妥協と自分の考えを一切曲げない頑固な女性であった。少し嫌な女性であるが、そこが少し笑えたりする場面も…。
トラバース婦人の映画に対する想いとは…過去をさかのぼるにつれて明らかになる感動的なストーリー。
メリーポピンズの作者の幼少期
父の話をメリーポピンズに託した、というのは本当なんだろうか?
メリーポピンズを見る目が次から変わりそう。バンクス氏が主人公だったとは…
ウォルト・ディズニー好きですか?
6年以上ウォルト・ディズニー社のクライアントという立場上、観に行っておかなきゃと思ってた映画。
今年はまだ3ヶ月余りにして映画の当り年、久々に外してくれた(^_^;) 別に映画化するほどでもないストーリー。ウォルト・ディズニー+メリーポピンズという耳通りのいい2大巨塔のエッセンスを抱き合わせて逸話を無理やりに感動秘話に仕立て上げている気がして(まさかこのまま終わるんじゃないだろな?と思いつつ終わってしまった。)。
ディズニー好きですか?の答えにはおそらくみなさん”Absolutely yes”でしょう。でもみなさんの批判を恐れず答えると私はNo。(夢を壊すので語りませんが、ご興味ある方は個別で)。
ただこの映画、さすがトムハンクス。陳腐な映画をブラッシュアップできる演技力。
ディズニー好きを公言するなら観なきゃ駄目でしょ。
いまいち話題的にパッとしない、本家ディズニーの物語ですが…
蓋を開ければ、極上のヒューマンドラマ。
観て本当に良かった、そんな幸せな一本でした。
登場と同時に一発で共感できないと分かる「偏屈クソ婆vsディズニー氏チーム」と。
そんな世界の全てを拒むような偏屈にどうしてなってしまったのかの「娘と父の物語」とを二本の柱にして。
それを編み上げながら語られるストーリーの妙。
後半1/3の泣かせの凶悪さは要注意です。
そして振り回されながらも突き放さない、温かさと深みを持ったウォルト氏を演じ。
作品に大きな説得力をもたらしたトム・ハンクスの大功。
そしてやっぱり…
今のディズニー映画にはない、「メリー・ポピンズ」の芳醇さ。
全てバランスが心地良い…
これこそレリゴー以上に観るべき一本です。
メリーポピンズを久々に観たくなった
ネズミさんのいる夢の世界とは相性の悪い館長ではありますが…。
ディズニーのアニメ作品や映画は別です。
自分の中で、今回の作品はディズニー関連の作品という位置づけですが、興味深く観させて頂きました。
久々に、メリーポピンズを観返したのは言うまでもない。
最後には笑顔で映画館を出られる
外国籍の友人に「Saving Mr Banksはもう観た!?」と勧められて観賞しました。
最初はどの映画のことを言っているのかわかりませんでしたが、なるほど、邦題と随分違った原題なのだな、というのが最初の印象。
しかし、観賞した後はハッキリ言えます。
原題が何より内容を綺麗に表わしているます。
こちらは言わずと知れたメリー・ポピンズの映画化にあたって、ディズニーとの攻防を描いた作品です。しかし、あのメリー・ポピンズのイメージを持って観ると大変な目に合います。
とにかく、泣ける!
メリー・ポピンズの原作者パメラは、とにかく気難しいオバサン。
初めのうちは、観ていてストレスになるほど「なんなんだこのオバサンは」と終始思っていました。
とにかく彼女は何かにつけて文句ばかり。
しかし、彼女にはシナリオや音楽、アニメーションなど全てに口出しせずにはいられない理由があるのです。
それは今と過去の交錯により、彼女がメリー・ポピンズに拘る理由、想いやトラウマが明かされていきます。
果たして、彼女は何のためにメリー・ポピンズを書いたのか。作品にどんな想いを込めたのか。
それを観客が理解するように、ウォルト・ディズニーもまた彼女を深く理解し、語り合います。
そうして彼女の心を解いたのも、ある意味でディズニーマジックといえるのかもしれません。
これだから、ディズニー映画はやめられないですね。
まるで魔法にかかったように、映画館を出るときには彼女への想いが180度変わっています。
父、母、そして子。
誰が見ても、感情移入できて納得できて、心から感動できる素敵な作品だと思います。
エンドロールでは、是非、Saving Mr.Banksに込められた想いを感じ取って下さい。
原題が作品を表している
原題は『Saving Mr. Banks』(バンクス氏を救え)
メリーポピンズは原作・映画共に未見だが、充分堪能できる内容。むしろ、“ディズニー”や“制作秘話”というフィルターを外して観たほうが楽しめるかもしれない(自分は中盤から泣きっぱなしだった)。
父親の弱さに気付きながらも敬愛し、母親の苦悩もどこか理解している娘時代がとにかく切ない。大人になっても一途に不器用に想い続けるトラヴァース夫人もいじらしく胸が詰まる。
事情を知らずとも彼女の心に寄り添う運転手ラルフが秀逸。
現実では叶わなかった彼女の父(=バンクス氏)の幸せを、物語の中で叶えようというディズニーの心意気も素敵だ。
完成の映画を観て涙する彼女は本当に美しい。父親が救われたことが彼女自身の救いにもなった瞬間だった。
エマ・トンプソン、トムハンクスをはじめ俳優陣も手堅く名演。
楽曲も耳馴染みがよく、ぜひメリーポピンズを見たくなった。
邦題がピント外れで残念だったので、-0.5で。
じわっと良かった
メリーポピンズが大好きな私にこの映画は深い広がりを与えてくれました。
サウンドオブミュージックのジュリーアンドリュースの映画という認識から離れて、再度メリーポピンズを観たくなりました。
許す事の難しさと自分を責める苦しみを
気ずかせ共有するウォルト・ディズニーの人柄も温かく予想以上の良い映画でした。
見終わってからじわじわと心に響いてくる作品です。
こんなにも感動したのはひさしぶり
心踊った!胸がいっぱいになった!
原作者は頑固で本当にウォルトは大変だっただろうけど、徐々に心を開き、音楽に合わせて足をトントンしはじめて皆と踊りだすシーンは号泣。
原作者は本当に作品の事を愛していて独り占めにしたい気持ちがあったのかな、
最初はバラバラだった気持ちが一つになっていく過程、原作者の過去、作品への思い。また、ウォルトの夢がうまく交差してた!
メリーポピンズは見たことあって話の内容がよくわかったのでよかった
原作も読んでみたくなったし、
さらにウォルトディズニー氏の事をもっと知りたいと思える映画でした
涙もろい方なので
ウォルトがディズニーランドを案内して以降の話には所々うるっとしてしまった。
配役も個人的にはベストで、それぞれが個性的なキャラクターを快演していた。
頑固おばさんであるトラヴァースの嫌いになる一歩手前、だけど憎めないキャラクターをとても魅力的に演じていたと思う。
ホテルのバーにおける孤独な彼女の半生を垣間見るようなシーンはとても印象的だった。
全てのMr.Banksに救済を・・・。
Saving Mr.Banks・・・。このタイトルを見て、涙が出てしまった。
そして邦題の「ウォルト・ディズニーの約束」には大きな意味があるのだ。
意味のある名訳である・・・。
【ネタバレあり】
「東の風が吹く、何か不思議なことが起こりそうな・・・」
この有名なセリフを冒頭とラストに用いて。
全てのMr.Banksを救済するために。
この映画は作られたのだ。
「不朽の名作『メリー・ポピンズ』の誕生秘話」というコピーは、もはや何のネタバレでもない。
謎解きは、順当に映画の中で紐解かれていく。
梨はダメ、赤はダメ、Mr.Banksは冷血漢じゃない・・・。
そして、メリーポピンズを先入観なしに見れば、Mr.Banksへの救済の物語であることは完全に理解されれている。
これは、トラバースへの理解と許しの映画だ。
彼女への許しの最初の伏線は「散歩」だ。
ハリウッドの滞在施設からスタジオへ向かう途中、そこには誰も散歩する姿がなかった。
「誰も散歩をしていない。」
運転手が答える。
「散歩は神から与えられた至福」と。
心を許す相手など誰もいないアメリカ。そのいくつかの演繹が必要なセリフに理由を聞くこともなかった相手こそが。
唯一無事のアメリカの親友となる・・・。
それは、映画を見て楽しんでもらうことにして。
そして。
この映画のもう一つの大切なMr.Banksは・・・。
幼少時代に新聞配達を強いられていた、ウォルトディズニー自身の父、イライアスに対する思いへの救済。
解き放つべきだと、このオーストラリア育ちの強迫観念作者のもとへ向かうべき言葉は。
Saving Mr.Banksそのものだったに違いない。
苦労した幼少時代の後、キャラクター肖像権に大手映画会社からの陰謀で苦い思いをした末のミッキーマウスの成功だけに・・・。
メリーポピンズの想いはどこにあるのか?と謎解きを始めるウォルト。
人前では屈託なく明るいが、実はタバコが止められず隠れて吸っている。
COPDのために空咳が時に止まらない・・・。そして数年後彼は肺がんで亡くなる。
「夢はかなう、願い続ければ」
彼は20年の想いを、「娘との約束は守らなけらばならない」と思い通りの映画を作った。
そして、トラバースには、相いれない部分も認めながら、自分のMr.Banksを解き放った。
肖像権問題の後、会社倒産の危機を乗り越えてミッキーマウスで成功を収めたファンタジア。
イマジネーションをリアルに。それが彼に作ったMagic Kingdam。
肉体は死しても、その魔法は現代の世界中に広まってる。
彼は現代の魔法使いになったのだ・・・。
事前にたまたまメリーポピンズを見た私だったが、皆が言うほどメリーポピンズが親しみやすいキャラクターには見えなかった。
そして、何よりMr.Banksへの想いは理解されていたと確信する。というかこの映画を見る前からそうとしかとらえられなかった。
トムハンクス演じるウォルトが言う。
娘はこの本をボロボロになるまで読んだ。なぜそこまで気に入ってるかって?
それは、メリーの立ち向かう姿勢を理解しているからだよ、と。
そして、それはこの映画でも必ず理解される、と。
さて、メリーポピンズのオリジナルの正体は、彼女のおばさんなのだが、映画の科の姿はしかめっ面のメリーポピンズであり、それをまねたのがP.L.トラバースということになる。
しかし、その叔母に対する思い、評価は一切謎解きしない。
ただ、気になったのは。
「気にすべき愛する家族は一人もいない!」と逆切れするシーンで・・・。
何か言いよどむ部分がある。
少なくとも、妹や姉妹は存命の可能性が十分あるが。
また、どうしても敬意を払えなかった母親ですら存命の可能性があっただろう・・・。
が、もしかすると。
一番気にしていたのは、この「メリーポピンズ」のオリジナルの「叔母」だったのかもしれない・・・。
ラストで再現される録音テープ(劇中よりも言葉が多い)から、女史が相当面倒であることがわかるわけだが、本当のエンドロールラストにもう一つのおまけがある。
「この作品をダイアン・ディズニー・ミラー(1933/12/18-2013/11/19)に捧ぐ」と出る。
ウォルトがメリーポピンズの映画化を約束した、彼の長女である。
まさかメリーポピンズで泣かされるとは(笑)
昔々に見たメリーポピンズ…
チムチムチェリーの音楽が流れただけでちょっとテンションが上がっちゃって(笑)
こんなに切ない物語が背景にあったなんて知りませんでした。(映画的に作ってあるにしてもね )
また、メリーポピンズを見たくなりました。
メリーポピンズにかける情熱
映画メリーポピンズの制作にあたってこんな背景があったから、今でも魅力的なのでしょう。
原作者トラバースの幼い頃の確執が解消していくとともに、映画の原題Saving Mr. Banksの意味がわかりました。また、原作と映画で違うところがずっと疑問でしたが、これでわかりました。
それにしてもトムハンクスのウォルトディズニー役は秀逸です、50年ほど前の白黒TVで毎週見ていたウォルトおじさんそのものです。
ウォルトディズニーが主人公ではありませんが、あの時代の情熱を感じる深い一作です。
時間が短く感じるほどの良作
あっという間に時間が過ぎていく作品。エマトンプソンとトムハンクスのケミストリー。コレンファリルやポールジアマッティなども贅沢に使っており、心を捕まれる。特にトムハンクスは心をつかむ説得力をもっている。最後まで心が暖まる作品。
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