劇場公開日 2013年2月15日

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ゼロ・ダーク・サーティのレビュー・感想・評価

全134件中、121~134件目を表示

4.0「社会現象」ではなく「社会問題」を引き起こした映画

2013年2月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

CIA局員の活動を描く実話に基づいた作品と言うところだけを取れば「アルゴ」と同じ種類の映画. 証言に基づいたノンフィクションということだったので「アルゴ」のようにCIAの功績をたたえる映画なのかと思ったが,まったく違った. この映画は決して特定の人物に感情移入させるような方向に観客を誘導するような作り方はしておらず,あくまでもCIA局員の女性の様子を中心に事実を淡々と描写することで,ビンラディン殺害作戦という世紀の大捕り物の全貌を明かしていく.とくにクライマックスはスリル満点.作戦の結果は既に知っているのに,思わず見入ってしまう.クライマックスだけでもチケット代の元は取れる そして最後まで作り手の作戦に対する明確な主張が打ち出されることはなかったように思った.それでもビンラディン殺害作戦とは何だったのか,正義とはいったいなんなのかなどなど,見る側に提起された問題は結構多かったように思った.158分と長尺の映画だが,見終わってからも考えることが多く,非常に長時間味わえる映画だった PS.ニュースでは既出の通り,この作品,拷問描写が大きな議論を巻き起こしアメリカ議会でも問題として取り上げられました.当事者へのインタビューに基づく映画であればこそできる,社会に向けた問題提起なのかもしれないとおもいます. 「社会現象」になる映画はすくなからずありますが,作品それ自体が「社会問題」となって議論の的となるような映画は珍しいなぁ.

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s'il vous plaît!

3.5『アメリカ ケジメに過ぎぬ 砂時計』

2013年2月20日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

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全竜

1.5迫真力に満ちた力作だが、詰まるところは米国のプロパガンダ映画?別視点からの作品も同時に観ることをお薦めします。

2013年2月19日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

知的

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グランマム

4.5真実と虚構のベール、その向こう側。

2013年2月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

心せよ 亡霊を装いて戯れなば 汝 亡霊となるべし ゼロ・ダーク・サーティ。午前0時半を示す軍事用語。それはオサマ・ビンラディン襲撃作戦の決行時刻であり、この映画においても大きなターニングポイントとなる瞬間だ。 映画は闇の中から始まる。スクリーンを覆い尽くす漆黒の闇の中から、あの9月11日に交わされた無線や電話の断片が次々に聞こえては、消えてゆく。悲痛な声、励ます声、瀬戸際のギリギリのエッジを、遺された音声がまざまざと物語る。あの時、たしかに存在した、それぞれの物語、それぞれの感情、それぞれの痛み。 そして、沈黙。 その後に続くアルカイダの容疑者への拷問は、アメリカの執念の実体化であり、尋問を行う担当官は復讐の擬人化だ。 当初、主人公のマヤはその光景に強烈な嫌悪を覚え、目を背ける。「釈放は?」と問いかける彼女の立ち位置は、まるで容疑者の弁護士だ。そう、彼女はビンラディンを追跡する狩人、CIAの精鋭でありながら、この時点では容疑者に同情を覚え、その立場に立って発言しているのだ。 だが、諜報活動の困難さ、さらに苛烈を極めるテロ攻撃にさらされる中、彼女の意識は次第に変貌を遂げてゆく。彼女自身も生命の危険にさらされる中、ついに同僚がテロリストの手にかかる時、なにかが崩壊する。あれほど拷問を嫌悪していた彼女が、正気を疑われるほどに捜査に執念を燃やし、ビンラディンへと繋がるかすかな可能性を死に物狂いで辿ってゆく。アメリカという国家の憎悪、執念、妄執をまるでマヤ一人が全て体現するかのように。 そして映画は、運命のゼロ・ダーク・サーティを迎える…。 関係者への地道な取材を重ねに重ねて練り上げられた脚本は、映画のための脚色を含みながらも、真実のピースをふんだんに盛り込んでいる。驚くべきは、世界にその名を轟かせるCIAの、綱渡り的な危うい諜報手法だ。逮捕した容疑者への徹底した尋問。時には拷問をいとわず、自白させた情報から新たな獲物をあぶり出す。目の前の端役から連絡役へ、よりビンラディンに近い幹部へと繋がる糸を手繰るべく、情報を得ること。当然、嘘もガセネタも混入するし、目の前の苦痛から逃れたいがために事実を歪曲される恐れもある。しかし確たる裏付けのないまま(そんなモノをいちいち取っている余裕はない)、状況証拠や口述の情報をかき集め、ひとりの男を描いたパズルを完成させようとCIAの最前線は盲目的に突進を続ける。そのさまはまるで霧の中を手探りで歩いてゆくかのようだ。 テレビ、新聞、雑誌、さらにインターネットに囲まれ、進化したケータイからは手のひらに世界中の情報が届く現代。あらゆるものが自明のものであるかのように錯覚しがちな社会にあって、しかし諜報の最前線にあったのは、光を求めることも叶わないまま闇を歩き続ける人々の姿だ。なにが正しく、なにが間違っているのか、確かな手応えが存在しない世界。 興味深いのは、この映画もまた、虚構と真実を巧みに織りあげて作られている点だ。たとえば、ビンラディン襲撃の際に用いられたステルス・ヘリは存在するが、そのデザインや性能諸元は現在も公開されていない。似せて作られているが、本物ではない。登場人物達もまた、当然ながら本名は異なるし、実際には遙かに多くのスタッフが諜報活動に携わっている。 緻密な取材という強固な基盤はあっても、全てを知り得ているわけではない。シナリオの隙間を埋めるモノは、やはり虚構だ。映画製作そのものも闇の中を手探りで進行していったのに違いないし、鑑賞する我々もまた、この映画の何が真実でどこが虚構なのか、と疑いながら付き合うことになる。 つまりこの映画は、真実と虚構が作品・制作・観客のあいだに横たわる構造になっているのだ。それはメタフィクションであり、現実とはなにか?という問いに対するひとつの回答でもある。 ゼロ・ダーク・サーティを迎えてから、映画は怒濤の進撃を行う。果たして邸宅の深奥に待ち受けるのは本当にビンラディンなのか?幾重にも重ねられた闇のベールの向こうに見いだされるものは真実なのか。その問いは、作品完成の命題を背負った制作サイドのものであるし、真実を見極めようとする我々のものでもある。 だから、この映画が本当の意味で映画となるのは、実はここからであり、架空のキャラクターであるマヤがその答えを迫られるのもまた、この先にあるのだ。 実は主人公も、実在の人物をモデルとした架空のキャラクターだ。ビンラディンを特定した実在のスタッフは女性だが、名前はマヤではない。その虚構の名「MAYA」はサンスクリット語で「幻影」を意味する。仮の名を託する時、なぜこの名が選ばれたのか。これは単なる偶然なのだろうか?

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蒔島 継語

4.5最高級のノンフィクション

2013年2月18日
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鑑賞方法:映画館

興奮

知的

CIA職員がこんなに亡くなっていたとは。知らなかったことがたくさんあり、歴史を知るという意味でも貴重な一本。映画としてもラストに向けてうまく盛り上げて作っている。中東で、よくもこんなロケができるもんだ。

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ガク

5.0世界が変わって見えてくる

2013年2月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

知的

ビンラディン殺害まで何があったのか、それを知るためにこの映画を見る必要がある。テロ首謀者とされるビンラディンを見つけ、殺すことにより、CIA、つまりアメリカは次々と起こるテロ事件を終わらせたかったはずなのだが、それはテロ事件への報復としての「殺害」といった形に見えてしまう。テロを終わらせたいはずがテロ集団への復讐、そしてテロを行う奴らへの憎悪、それは憎しみの連鎖でもあるのではと思わせられる。ぼんやりと知っていたオサマビンラディン殺害事件をこの映画を見ることで、その意味するものについて見る者に様々な感情を引き起こす。テロ首謀者ビンラディン殺した後に見えてくるものは何か?それを観客一人ひとりにつきつけてくる。2度、3度と見たくなる映画ではない。しかし、見た後では自分を取り巻く世界が必ず変わって見えてくるはずである。必見の映画。

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kz

4.0報復の連鎖は、いつになったら・・・

2013年2月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

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りりー

5.0テロ戦争の現実を直視

2013年2月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

9.11の映像とそれに続く拷問シーンから始まるこの映画は、日本人の我々が知らないテロ戦争の最前線の現実を事実に沿って忠実に再現している。あのオサマ・ビン・ラディンを追い詰めたのがうら若い女性のCIA分析官だという意外感も手伝って、その後の息をつかせぬ展開にぐいぐい引き込まれてゆく。 現実を直視させるその説得力とビグロー監督の手腕に圧倒される。この映画に余計な感想や評論は無用だ。

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如月次郎

4.5アメリカの正義

2013年2月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

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langegabriel

4.0迫真を体感。

2013年2月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

証言を積み重ねてターゲットに迫る推移をただひたすらに見守る。 リアリティ溢れる緊張感と臨場感を、 混乱に埋没していくような疲労とともに満喫。 達成感ではなく喪失感に満たされるマヤの涙が脳裏に焼き付く。 エンドレスの不毛を直視した硬派に溜め息。

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AKIRA

2.0物足りない!

2013年2月14日
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鑑賞方法:試写会

悲しい

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オイモダイスキ

4.0世界は変わるのか、彼女はどこへ行くのか

2013年2月9日
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鑑賞方法:試写会

怖い

知的

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α

4.0ビグローの追うもの

2013年2月8日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

怖い

難しい

アルジェリアの人質事件のように、中東・アフリカの爆弾テロも 他人事だとは考えられないようになってきた。 アメリカ9.11事件に端を発したアメリカと中東アルカイダの暗闘を 描いた作品であるが、なんともやりきれない気分になった。 幕開けは、9.11の被害者の言葉の録音テープだろう。 これで怨念に火をつける。 その犯行の首謀者ビンラディンを追うドラマがはじまる。 追跡劇といってもカッコいいもでは全然ない。 それは拷問であり、情報のだましあいだし、同僚の死である。 それでも、いや、だからこそ追跡するのだろう。 自分が自分でなくなる、訳もわからないまま、ただひたすら追うのだ。 キャサリン・ビグロー監督は前作「ハート・ロッカー」でも、 善悪を問うことはなかった、事実を描いていった。 なるべくその心情も出さないようにしていた。 この作品でも同じだろう。その代わり、より綿密な取材と、 その情報による事実を映像にしていく、積み重ねていく。 正義とはなにか? そんなものは神のみぞ知る。 人間とはこんなに不完全なものであるということを 僕らの目の前に突きつけてられたような気がした。 目的を達成した後、流したエマの涙はなにを意味するのか?

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xtc4241

4.0正義とは

2013年2月8日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

難しい

「9.11テロ 首謀者オサマ・ビンラディンを殺害」  テレビのニュースで知りました。テロ事件からそこに至るまでのことは、正直あまりよく知らなかったので、こんなことがあったのかと思いながら見ていました。 あきらめることなく、様々な情報網を駆使して組織から居場所まで探り当てる様子は観ていて怖いくらいでした。アメリカのテロに屈しない姿勢が描かれていると感じました。

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シュガー