シュガーマン　奇跡に愛された男

本当にこんなことがあるんだなあ。 本国から遠く離れた南アで反アパルトヘイトの象徴になっていたといった内容も面白いし、ドキュメンタリーでもストーリーに起承転結があって映画としても面白い。 ホント、人生って不思議。

よく分からない映画だった。ドキュメンタリーだからね。

デトロイトの場末で歌っていた男がたった２枚のスタジオアルバムを残して姿を消した。ほとんど売れることなく音楽史から消え去った全く無名のアーティストの歌がどういう経緯か海を渡ってアパルトヘイトの抗議で流血が絶え間ないケープタウンでプロテストソングとして崇められ、人種解放の神話を作り上げていく、というよく出来たフィクションにしか思えない話が紛れもない事実だということにただただ驚くドキュメンタリー。
何十万人の人生を変えた歌が確かにあり、人生を変えられた人達が起こした行動が世界を変える。奇跡は一方的に人を選び、ドラマを紡ぐ。選ばれし人の歌声は本当に美しいことを捉えたこの映画自身がまた人生を変えていく。できればサントラもじっくり聴いて欲しいじんわり胸に沁みる圧倒的な作品です。

映画そのものより、シュガーマンの曲がとても良かったです。メロディも歌詞も素晴らしい。アナログ売ってたら、買います。