人生の特等席のレビュー・感想・評価
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野球狂の詩
NHK BSプレミアムの放送で観賞。 正直、あんな老人がスカウトマンを続けていることに驚いた。 しかし、視力が怪しくなっても耳で聞き分ける達人スカウトマンなんて、水島新司でも描いていないと思う。 一方で、弁護士の娘の方は7年の勤務で事務所のパートナー候補に上がっているという、これにも驚いた。 アメリカって国は! 敵役のデータ主義のスカウトマンはいかにもなステレオタイプ。 いくらなんでも、選手を直接見ないスカウトマンはいないだろうに。 ドラフトの目玉スラッガーも、いかにもだ。 この辺はむしろ笑える。 ストーリーは父娘の関係修復の物語で、頑固親父と愛されていないと感じている娘の設定もありきたりではある。 だが、父が妻亡き後に娘を親戚に預けなければならなかった理由が明かされると、それまでの違和感が一気に吹き飛び、後はハートウォーミングな大団円に一直線。 なんとも上手なストーリーテリング。 クリント・イーストウッド、エイミー・アダムスの二人だけでなく、キャストが皆はまっていて良い。 ピーナッツ少年の件は、正に『野球狂の詩』にあってもよさそうなエピソードだ。 しかし、ドラフトが終わったらあんな直ぐにユニフォームを着て練習に参加するのか(時間の経過が表現されていないので)、投手の入団テストをそのドライチ相手にやるものなのか、米メジャーリーグの実態は知らないが、リアリティに欠ける気はした。が、単純明快なハリウッド手法として受け入れOK! 久々に監督業から離れたイーストウッドの姿も嬉しい限り。 とにかく、楽しめる映画。 You are my sunshine. You make me happy…
ああ〜よかった!
小作品として気持ちの良い作品だった。歳とってからのイーストウッド作品は人生の現実を叩きつけられるような悲惨なラストが多いから、少し緊張してみていたがスカッと終わって良かった。「データだけでは測れないものがある」「調子に乗った若僧よりも、影の努力をしていた者が勝る」シンプルなメッセージに胸がスカッとしました。細部の詰めが甘い映画全体の構成はこの際、考えない。イーストウッド監督じゃないし。
デ・ニーロよりアイスキューブが上?
伏線というべきか、ピーナッツ売りの青年がずっと気になっていて、いつ登場するのか心待ちにしてました。まぁ、とにかく豪華な俳優陣。スカウトマン老齢ガスのために娘ミッキーが手助けする物語ではあるけど、クリント・イーストウッドにエイミー・アダムス、そしてミッキーに恋する炎のジョニーことジャスティン・ティンバーレイク。アイスキューブネタもこのティンバーレイクのことを言ってるような気がしてしかたない。他にもロバート・パトリックやジョン・グッドマンという布陣。いい映画になるわけだ・・・というか、てっきりイーストウッドが監督かと思っていた。 いきなりの小便シーン。あぁ、歳を取るとこうなるんだよな・・・などと、男性ならばつい考えてしまう老人の描き方。だけどイーストウッドは負けない!終盤に向かって、徐々に若々しさを取り戻していってるような、80歳になってもOKだぜ!ベイビーって感じでした。 面白いのは娘が野球通というかオタクをも超え、物知り博士みたいなキャラに変貌していくところだろうか。元ピッチャーのジョニーも形無しだ。そして目の衰えた父に代わり、自分の目でしっかりと選手の才能をチェックする。さらには自分でキャッチャーも務めるとか・・・ありえへんスーパーウーマンでしょう。 ちょっと残念なのは、父娘の確執とかを描くと思いきや、違った方向に向かったようなところ。20年離れていて、どうして野球に詳しくなったのかもわからなかったし、なぜ弁護士の道を選んだのかも・・・。よくよく考えてみると、筋が通ってない気もする。 ちなみ「ユー・アー・マイ・サンシャイン」は、イーストウッドのつぶやき、カーリー・サイモン、レイ・チャールズ版を聴くことができる。レイ・チャールズのなんてオリジナルがわからんくらい!
やったぜ、ピーナッツ・ボーイ!
無骨な頑固オヤジをやらせたら右に出る者がいない、クリント・イーストウッド、公開時82才。今年の5月で90才! 彼のおかげでリアリティが出た。親子の関係性はもう少し丁寧に描いて欲しい気もするけど、まあいい終わり方だったので文句は言わない。 ピーナッツ・ボーイがとにかく良かった。スカっとした。
2008年の監督・主演作「グラン・トリノ」で事実上の俳優引退宣言を...
2008年の監督・主演作「グラン・トリノ」で事実上の俳優引退宣言をしていたクリント・イーストウッドが、4年ぶりに銀幕復帰を果たしたドラマ。
【多くのクリント・イーストウッドのファンが今作が見納めと思った作品。だが、彼は2021年現在でも主演作を上映し、大ヒットさせている・・。凄い漢である。】
ー 現題:TROUBLE WITH THE CURVE ー クリント・イーストウッド演じるガス・ロベルはメジャー・リーグ最高の スカウトマンと言われた過去は程遠く、球団との最終契約残り三か月。最後のスカウトの旅に出て・・・・。 彼の娘をエイミー・アダムスが、ガスがかつてスカウトし、今はライバル球団のスカウトマンに転向したジョニーをジャスティン・ティンバーレイクが演じる。 皆、クリントの作品ならばと嬉々として、馳せ参じている様が思い浮かぶようである。 この作品は、初老の男の頑固な生き様、複雑な父娘の関係を描きだしている。 今や、クリント・イーストウッドの作品に正面切って物言いを出来る雰囲気ではないが、この作品は2012年公開のモノであるので、率直な感想を。 物語としては、良く出来ている部類ではあるが、父と娘との拗れた関係を上手く描き切れていないし、ジャスティンの起用もやや奇異な感がした作品である。 彼の愛弟子が監督をしているが、細部の作り込みが甘い気がしたのは事実である。 これが、クリント・イーストウッドの最期の主演作だと少し寂しいなあ、と思っていたら、そこはレジェンド。素晴らしい作品を、監督・主演でこの作品の9年後、私たちに”どうだ!”と言わんばかりに、送り届けてくれた。 全世界の映画を愛する人々が尊敬し、愛してやまない類まれなる人物である。 <少しきつめの書き方をしたが、この作品も小品ながら、滋味深いものであります。> <2012年11月24日 劇場にて鑑賞>
親業と娘業のせつなさ
離れて暮らしていた娘とのギクシャク感だな・・ 今まさに僕はその事で心が千々に乱れているのです。 自分の娘への思いを言葉化してみるためにこのコメント欄で作文を試みようかと考えていたら ハチコさんが“娘の立場で”先に生の言葉をぶつけて下さっていた。 ごめんね我が娘よ。 僕は父親になったのは初めてで、「父初心者」なのだよ。 君も「娘初心者」であるのと同様にだ。 だから五里霧中の手探りで 下手糞な家族をやっている事を容赦して欲しいよ。 本心の裏返しで怒りや悲しみの感情をぶつけて親子の関係を終了させてしまうことはたやすいと思う。 だからガス(クリント・イーストウッド)は終了を回避するために度々娘を遠ざけたのだ。 嗚呼、それにしても 「親業」がわからぬうちにあっという間に自分は老人に、そして娘は大人になって父を離れていく。 そんな歯がゆさ、しみる映画でした。 ・・・・・・・・・・・・ 映画の作りとしては △ 。 長らくイーストウッドの下で助監督をやっていたロバート・ローレンツが初メガホンとのこと。 DVDの特典映像では御大が弟子のデビューにぴったりだとこの作品を勧めたのだと語る。 でも、とっちらかったこの脚本のまずさをわかっていて練習用に弟子に仕事を与えたのか、それとも御大自身が老化して色々に判断がつかなかったのか、どうなんだろう? どちらにしてもロバート・ローレンツの才能はあまり良くないと思った。
最後まとめすぎ
せっかくクリントイーストウッドの映画だと思って期待して見たのに、ガッカリ。最後にピーナッツ売りの兄ちゃんに小憎たらしいドラフト1位の小僧がやられるところは、いいのだが安っぽい。無理やり。娘役のエイミーアダムスが可愛い。
クリント好きにはたまらない。
ブラピのマネーボールでも扱われた野球のスカウトという素材を、この映画もまた非常に巧く物語に融和させている。 全体としてはお決まりの、ハートフルドラマだが、暗示性が強く、脚本は良く出来ていて愉快で、かつ俳優陣の演技はもれなく素晴らしい。
原題が様々な意味を暗示する心に沁みる佳作
メジャーリーグの名スカウトの父と弁護士の娘。妻が亡くなった後娘を親戚に預け仕事に没頭した父は立派に成長した娘を誇りに思いながらも顔を合わせると喧嘩ばかり。自身に視覚障害が出始めていることを知った父はそれをひた隠しにするが同僚に知られてしまい、同僚は娘に暫く一緒にいてやって欲しいと懇願する。昇格を目前に控えた娘は嫌々ながらスカウト道中に付き合うことにするが、やがて娘は父が幼少期からずっと胸に秘めていた秘密を知ることになる。 どこまでもオーソドックスでオールドファッション、まるで日曜洋画劇場を観ているかのような典型的なアメリカンドラマ。監督のロバート・ロレンツはこれが監督デビューだそうですが、数多の第二班監督やアシスタントディレクターを勤めて来た人物でイーストウッドとの付き合いも長いこともあってか、実に手堅い演出。 老いてからのイーストウッド主演作、すなわち『許されざる者』辺り以降の作品は全て贖罪がテーマになっているような気がしていて前作の『グラン・トリノ』は正に極みであったと思っていますが、今作ではそこまで露骨で過激ではないものの、やはり自身の人生をなぞるかのように誰にも話さなかった罪と罰を吐露する様はまるで若者へバトンを渡そうとしているかのようでした。 原題の"Trouble with the Curve"には実に色んな意味が暗示されていて、心に沁みる佳作でした。年頃の娘を持つお父さんは必見です。
クリントの力でもっている
おそらく大学生くらいの時に一回この映画を観た気がするのだが、記憶が曖昧なのでまた観た。 クリントイーストウッドとジャスティンティンバーレイクの大ファンなのだが、こういうファミリー映画にした時の自分の好みは星の数通り普通である。 内容は、老人と娘の復活のストーリーで、野球のスカウトというレアな題材を通して異彩感を放っている。最後のミッキーが新人のカーブの得意なピッチャーを発掘し、現場で見続けて音を感じてきたガスの敏腕さにはあっぱれした。
長い葛藤のあとに
6歳から33歳まで、遠回りした父娘の未來は希望が持てるが、年老いた父親といつまで健康的な関係を維持できるか気になるなあ。 ちょっと漫画チックなプロ野球の新人発掘を織り交ぜながら、氷解していく父娘。毎度同じようにハラハラしてホッとする。エイミー・アダムス良かったなあ。 「カーブが打てないよ」という原題より本邦のお題の方がずっとしゃれていてセンスを感じる。 2016/11/3
イーストウッド、もう何歳になったんだ。我がヒーローの老いた姿が序盤...
イーストウッド、もう何歳になったんだ。我がヒーローの老いた姿が序盤痛々しかった。しかし、この老いを真正面から見つめて、敢えて否定せず今のイーストウッドの魅力を追究、成功させている。 監督のイーストウッド愛を感じる。イーストウッド自身が監督していたら失敗していたかも。 娘役の女優さんの好演も見逃せません。最後はキラキラ、超美人に見えて来ます。 俳優としてのイーストウッドの魅力を再認識出来た素敵な映画でした。
●頑固さが解きほぐれる。
イーストウッドはいつも年頃の娘と仲悪いな。 不器用なオヤジ。仕事一筋。癇癪もち。 娘はお父さんに褒められたいだけなのに。 程度の差はあれ、親娘関係って難しんだろな。 とはいえ、オヤジもモウロクしかけ。 目が見えず、運転もままならない。 迷う娘。仕事も恋愛もいまが盛り。 スカウトも終盤。静かにクライマックスに向かう。 このへんの緩急が痛快だ。 ラストは韻を踏んでていいね。しゃれてる。
イーストウッドの枯れ具合が自然で心地良い。 脇を固める役者も意外...
イーストウッドの枯れ具合が自然で心地良い。 脇を固める役者も意外性があって楽しい展開です。 ミッキ−役のエイミー・アダムスは頑張り屋さんで野球フリークな弁護士を見事に演じています。 ガス役を尊敬するジョニー役のジャスティン・ティンバーレイクの本業はミュージシャンとは信じがたいです。 孤独は自由と表裏一体です。人生において友達は一人居れば充分かもしれません。所詮自分を含めて思い通りにはならぬところが楽しいです。オ・ス・ス・メ。
You're my sunshine ♫
Clint Eastwoodは、相変わらず無粋で偏屈な頑固親父が似合います。実の息子もまたちゃっかり出てるし。 全てを失ったのかと思ったら…、トントン拍子に全てを手に入れる、ラストは少々上手く行き過ぎな感じでした。
いい映画だけど
最初イーストウッド監督作品だと勘違いしてたので、終わった時には「あれ?こんな軽い映画なの?」と思ったけど、監督は違う人だったのね。 あんな頑固親父に健気に尽くし続ける娘の存在はいるのか―?と思ったり、さすがに目が見えないんじゃ無理じゃ・・・と思ったり、ラストの対決の展開があまりにもわかりやすくてといろいろ安っぽいんだけど、まぁ見た後の気分は悪くないかな。
頑固な親子の話
仕事一筋に生きてきた父親と娘。 娘は仕事に生活を捧げ、ようやく出世ができるところまで行き着いた。 一方、父親は、コンピューターに頼らず、自分の目と耳で野球スカウトを続けてきて、自分に絶対の自信を持っていた。 頑固な親子だから、すれ違うことばかりであった。 しかし、父親の病気を機に、親子の時間を大切にしようと、二人の距離が縮まっていく。 人生で大切なこととは?そんな話が一本の映画にまとまっているように感じた。心温まる良作である。
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