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映画「ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!」 ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!
劇場公開日:2012年12月1日
解説
ローザンヌ国際バレエコンクールと並ぶ世界最大級のバレエコンクール、ユース・アメリカ・グランプリに挑む若きダンサーたちにスポットを当てたドキュメンタリー。自身も幼少時代をバレエに捧げた経験を持つ女性ジャーナリストのベス・カーグマンが監督を務め、ニューヨークで開催される最終選考に出場する6人に密着。撮影・編集に2年の歳月を費やし、個性豊かな子どもたちの素顔や家族のドラマを浮き彫りにしていく。
2011年製作/94分/G/アメリカ
原題:First Position
配給:セテラ・インターナショナル、ミモザフィルム
スタッフ・キャスト
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2020年12月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
優雅さ、表現の豊かさってこういうものをいうんですね。
失礼ながらちょっと太めなミケ―ラさんが、踊りだしたとたん、息を飲んだ。本当に彼女のホワイトスワンが観てみたい。うん、彼女ならできる。
「舞台はアクシデントが起こるものだ。この程度でへこたれるな」っていうコーチの言葉に励まされました。失敗した時の回復力が一番の武器ですね、何事も。
もち時間5分の世界。
しかも怪我とかで常に万全の態勢で望めるわけではない。そんな言い訳しちゃったら「体調管理も実力のうちよ」って言われちゃう。
ちょっとしたミスが大きく結果を左右する。
努力しなければ結果は出ないけど、努力したからってそれがなんだという世界。
その中での言葉。半端ない。失敗を、実力が発揮できないのを周りのせいにしているのが情けなくなる。
ミケ―ラさんの踊りが一番好きだなあ。あとガヤちゃんもいいかも。チケット買って観に行くならこの二人かな?
ジョアン君、アラン君は王道。
人間的にはジュールズ君を応援したくなる。コーチに負けるな、ママゴンに負けるなって。
ミコさんは操り人形みたいで最初つまらなかったけど、ファイナルは凄かった。
と、子供だけど、値踏みされる世界。芸術って素晴らしい半面、酷ですね。
お父さんだけ戦地に単身赴任とか、 家族の生活背負わせるとか、どの子の親も同じように応援しているのに、ミコさんのお母さんだけ子供を食い物にするママゴンに見えてしまうのは何故なんだろう??仕切り屋さんだからかなあ?前に出過ぎだからかなあ?お父さん、母子がバレエに熱心だと仕事に打ち込めるからいいって、そればないだろう。
それだけではない。お母さんが言う。「成功はこの子の手柄、失敗はすべて私のせい」全てを捧げる献身的な賢母のようだが、一歩間違えれば、自分で責任取れない大人に育ってしまう可能性だってある。
自己献身に酔っている母。これほど恐ろしいものはない。
選に漏れた子とか、才能ありながらも条件がそろわずに続けられなかった子のことを考えると複雑。
ましてや今回コンクールで賞をとってもプリンシパルになれるかなんてわからない。
もし怪我とかしてバレエ続けられなくなったらどうするんだって突っ込みどころは満載の世界。
だけど、彼らの顔見ていると止められない。体中から、心の底から”踊りたい”!!!っていう叫びが聞こえてくる。
納得するまで、頑張れ!!!
2015年6月14日
Androidアプリから投稿
当時見たとき絶対DVD買おうと思って、まだ未購入。。大人っぽい車乗り回す女子高生の子に胸キュン。可愛すぎる。
それぞれ夢があって素敵だ、モチベーションあがる!
バレエをやっている人だったら一度は見てほしい作品。
本当に素晴らしい。感動しました。
2013年1月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
「ファースト・ポジション」は特別変わった技法を使っている訳ではない。何人かの子供たちに焦点を合わせ、練習風景を交えつつ彼らのバックグラウンドを紹介する。だがこの映画がすばらしい作品であることは間違いない。そしてその“魔法”を起こしているのは、紛れも無くその子供たちなのだ。
まずこの映画に選ばれた子供たちが非常に多種多様である。アメリカ人のアランはイタリアに在住。イスラエルの友達ガヤとともにYAGPのヨーロッパ予選から出場する。普段の2人はいたって普通の子供だ。だがガヤの母親が言うように、バレエとなると顔つきが変わる。
日系イギリス人のミコは弟のジュールズとともにファイナルへ挑む。しかし心からバレエが好きなミコと違い、ジュールズはさほど熱心ではなく明らかに技量も劣る。異常なほどまでに子供たちのことを気にかける母親との交流もある意味見所だ。
「バービー」のあだ名を持つレベッカはこの映画に出演した子供たちの中では、一番恵まれている。金髪の白人で手足が長く、女性バレリーナらしい繊細さも持ち合わせている。でも自信満々な彼女が大会の前に見せる不安そうな表情から、いかにバレエの道が狭いのかよくわかる。
そして何より心を打つのがコロンビア出身のジョアン、そしてシエラレオネ出身のミケーラだ。家族と離れ、単身ニューヨークへ渡ったジョアンは家族の期待を一身に背負っている。彼が家族と電話をするときに見せる、嬉しいような困ったような表情はその複雑な気持ちを物語っている。ミケーラの両親は反政府勢力に殺された。ミケーラ自身は孤児院から引き取られて、今は養子としてアメリカで暮らしている。黒人のバレエダンサーは珍しく、体つきも筋肉質なミケーラは奇異な目で見られがちだ。だが彼女が踊り始めると、そんなものはすべて吹き飛ぶ。
なぜ彼らがそこまでバレエに打ち込むのか。90分という短い時間の中で、監督は無駄をすべて省いてバレエを知らない人にも伝わるように上手く描いている。もちろん彼らの技術にも驚かされるのだが、なんといっても素晴らしいのは練習の成果を見せる、ファイナルでの演目。私はバレエに関して全くの素人だから「あの子はここがすごい!」と具体的に言える訳ではない。だが彼らがひとたび舞台袖から登場すると、誰もが息を止めて画面からひと時も目を逸らすことができない。もちろんバレエシーンは編集されているからほんの数秒でしかない。それなのに彼らのバレエは人を引きつけてやまないのだ。
様々な逆境を乗り越えて、彼らが披露するバレエは本当に素晴らしい。この映画にあるのは偽りの無い本物の感動だ。
(2013年1月13日)