Playback
劇場公開日 2012年11月10日
解説
人生の岐路にたつ俳優が、過去と現在を行き来しながら新たな一歩を踏み出していく姿を、美しいモノクロームの映像で描き出すドラマ。監督は、本作が長編2作目の新鋭・三宅唱監督。40歳を目前にひかえた俳優のハジは、体調不良や妻との別居など頭を悩ませる問題が重なり、仕事にも行き詰っていた。そんな時、長い間会っていなかった高校時代の友人ボンが現れ、地元の友人ユウジの結婚式に出るようハジを誘う。ボンの運転する車で故郷に向かったハジは、車の中で居眠りをしていたが、目を覚ますと大人の姿のまま20年前の高校時代に戻っていた。主演の村上淳をはじめ、渋川清彦、三浦誠己、渡辺真起子、菅田俊ら実力派俳優が多数出演。
2012年製作/113分/日本
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2021年6月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
落ち目の役者、離婚と仕事もプライベートもうまくいかない男が、ある日突然学生時代と時間を超えて行き来し、人生を見つめ直し前に進んでいく話。
全編モノクロで時代感を中和し、タイムリープもシームレスに繋いでいる。現代も学生時代も同じ姿で最初少し迷うが、全体が見えてくると自然と入ってくる。
人生は選択の連続で、自分の行動と決断で決まっていく。いかに日々些細なことも大切にし、意識を向けていくかで生き甲斐が変わる。
「過去のことを言うと罰当たりで、未来のことを話すと恥ずかしいこと」と言う言葉が心に残っている。「今を生きる」ことしかできないか。
※Thanks Theaterにて鑑賞
2021年1月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
人生の壁にぶち当たっていた俳優ハジ(村上)は、高校時代の友人ボンに誘われるまま同級生ユウジ(山本浩司)の結婚式に参加する。ラフな格好のままでの参加で、懐かしい面々と顔を合わせるが、それは夢?気づくと、道端で倒れ、意識不明だったと告げられる・・・
スケボーに乗って走るが草むらに倒れてしまうシーンが都合3回。スケボー少年に発見されるというオープニングが生かされている。高校時代の映像、そして現実かどうかわからない結婚式や同級生モンジ(渋川)との対話など、奇妙な体験だったがそれがまた繰り返すという現実。
それぞれのエピソードは面白くもないのだが、学芸会のビデオを見せられて「他人様の子のビデオを見せられてもつまらないでしょ?」などという言葉がそれを表しているのではなかろうか。しかし、それがタイムスリップ(playback)となると話は別。どこからどこまでが夢なのか、現実なのか、人生を振り返る上での貴重な邂逅となるのだ。
フィルムのこだわりや『勝手にしやがれ』のようなフィルム切り取り編集なんて、全国公開されてないのが残念だと感じるほど凝った作りだと感じます。服装に注目していれば、どこまでが実体験なのかはわかる親切設計だし、二度目となる追体験はハジにとっても希望が沸くことだったと理解できるのです。見舞いに行かなかったことを反省したり、つまらない会話にも友情があることを実感したり、人生のどこに転換点があるのかということを教えてくれたような。そんな雰囲気の作品でした。また、スケボーシーンの道路に震災の痕が残っているのも印象的だったなぁ。
2020年6月1日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
役者として岐路に立っている主人公の前に、幼馴染が現れ、友人の結婚式に出ようと誘う。
向かう途中でリアルな夢を観ることになるが、高校生時代や結婚式が繰り返される。
いろんな話が出てくるのだが、すべてを拾うことは出来なかったが残念。
4.0.
2019年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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自宅(CS放送)にて鑑賞。今時珍しい全篇モノクロ──今の時代、撮るのも、現像等その後の処理も、遥かに手間で技術を要する手法。一言で云えば、ノスタルジックなファンタジーだが、圧倒的に画面が佳い。やや硬い目乍ら、隅々迄行き渡った光回り等、よく撮れている。この画面は、行き詰りから再起を図る過程に遭遇する不思議な物語とマッチしており、ややありふれた展開や細かな粗を忘れさせてくれる力を持つが、巧くはぐらかされた様な思いも残る。何はともあれ、スチル、ムービーを問わず、画像や映像に興味が有る人は必見。85/100点。
・何気なく登場するスケボーや結婚式の騒動等、展開と共にどこか違った意味や輝きを感じさせる。序盤を繰り返す様な終盤でも、その変化が実感出来、清々しいカタルシスを得られる。全篇、奇妙な魅力に満ちているが、ただ感じるだけの作品でない事が功を奏した。欲を云えば、この監督のしっかりしたストーリーテリングのも観てみたくなった。
・脚本を兼ねた監督が宛書で作ったのかと思わせる程、正に適材適所と云った魅力的なキャストが配されている。“ハジ”の村上淳の表情は進行と共に内面をよく映しており、“ホジ”の渋川清彦も忘れ難いし、テイ龍進も如何にもそれっぽく、他にも書き出すとキリが無くなる。中でも菅田俊の“エンドウ”がラスト近くで浮かべる顔つきの変化が深く印象に残った。
・ロケの大半は、震災の爪痕が色濃く残る水戸市で行われたと云う。このロケ地において、画面でも見てとれる程の凹凸道でのスケボーシーンがあり、この悪条件ではさぞや村上淳も猛特訓したのかと思いきや、監督曰く実は村上自身、若かりし頃、かなりスケボーに打ち込んでいたらしい。ここ10年以上、乗っていなかったとの事だが、昔取った杵柄、流石の身のこなしで堂々としたものがある。道理で……。
・鑑賞日:2017年3月29日(水)
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