未知との遭遇 ファイナル・カット版

解説

地球人と異星人との接触を感動的に描き世界的な大ヒットを記録した作品を、製作25周年を記念して、監督のスティーブン・スピルバーグ自身が再々編集し直した傑作SFファンタジー巨編。1977年のオリジナル版をベースに、1980年の「特別編」で加えられたゴビ砂漠のシーンなどを加え再編集している。「特別編」の目玉であったマザーシップ内部のシーンは今回は省かれている。監督・脚本は「マイノリティ・リポート」のスティーブン・スピルバーグ。出演は「クライム&ダイヤモンド」のリチャード・ドレイファス、「リュミエールの子供たち」のフランソワ・トリュフォー、「ミスター・マム」のテリー・ガー、「マグノリア」のメリンダ・ディロンほか。ビデオグラムでのみリリースされた。

2002年製作/138分/アメリカ
原題または英題:Close Encounters of the Third Kind: Director's Cut Edition

ストーリー

砂漠。砂塵の中に第二次世界大戦に使われたらしい戦闘機の姿がみえる。それは、真新しく、20数年前の消失当時と同じ姿だ。調査団一行のリーダー、ラコーム(フランソワーズ・トリュフォー)により、発見の様子は語られる。又、インディアナポリスの交信コントロール・センターのスクリーンに未確認飛行物体の姿が写し出され、TWA機より、不思議な物体を見たという連絡が入る。同じ頃、インディアナ州のある人里離れた一軒家に奇妙な事が起こる。バリー(ケイリー・グッフィ)という少年が、周囲の物が震動するので目をさまし、何物かに引かれるように家をとびだしていったのだ。母親ジリアン(メリンダ・ディロン)は、彼のあとを追う。そして、一方、同じ町に住む電気技師ロイ(リチャード・ドレイファス)は、この一帯の停電を調べるため車を走らせていた。そこへ恐ろしい光が……。ロイは、この光を追い、バリーやジリアンに出会う。そしてUFOらしき光が空を横切った。やがて、ロイは怪光にに夢中となり、会社もクビとなり、妻ロニー(テリー・ガー)と子供達にまで逃げられる。またラコーム達は、UFOとのコミュニケーションの可能性を見い出す。ジリアンは失踪したバリーをさがし、一方ロイはこの異常なミステリーの原因を解こうとした。そして、ロイのイメージは『山』にひっかかり、その山の模型を作るようになる。ジリアンも自らのイメージの山の絵を描き、それは、ワイオミング州にあるデビルズ・タワーであることがはっきりした。そして今、その山は、毒ガス発生のため付近の住民に避難命令が下されていたのだ。そしてその山こそは、今までこの怪事件に出会った人々のイメージの中の山だった。そう、これこそがUFO、つまり異星人との接触が予定されていた地点なのだ。政府はこれを隠そうとしている。この出来事をひろめてはならない。だが、ロイとジリアンは追手をふりきり、ついに、このデビルズ・タワーに登る。そして、そこで見たものは。そして、ここで彼らが経験したものは、今まで人類が誰一人として経験したことのないことであった--大きなUFOの母船(マザー・シップ)が降りてくる。その輝くばかりの船体。そして、今まで行方不明であった人々がその中より降りてくる。あの戦闘機の乗員が、あのバリーが降りてくる。やがて、ぼんやりとした中から、手の長い異星人が降りてくる。そして異星人は、今しずかに人類に向かってほほえみかける。人類史上初の異星人との触合、この一瞬に人々はたちつくす。やがて、ロイも含めた地球人の代表団は、母船に乗りこむ。彼ら異星人の星へ行くために。間もなく、ひかりかがやく母船は静かに上昇していく。そして今、人類は新たなる世紀の時へ歩もうとしているのだった…。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.5あまたの「UFO特番」の元ネタ・原典が同作品であったと再認識!

2024年8月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

目黒シネマさんにて8月22日(木)~24日(土)の3日間限定ですが『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』 『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』『未知との遭遇 ファイナル・カット版』と豪華4本立て。アラフィフおやじ感涙のプログラム! 『未知との遭遇 ファイナル・カット版』(2002) ご存じスティーヴン・スピルバーグ監督が『ジョーズ』(1975)の次に手がけた作品。 『オリジナル劇場版』(1977)『特別編(ディレクターズ・カット)』(1980)『ファイナル・カット版』(2002)と3バージョンありますが大きな相違はないとのこと。 劇場スクリーンでの鑑賞は初。 作品自体も数十年ぶりの鑑賞ですが、同作が以後のSF作品に及ぼす影響の大きさは当然ながら、「キャトルミューテーション(UFOに人間や動物が連れ去られる」「バミューダトライアングル」や「宇宙人のパブリックイメージ(=リトルグレイ型)」などわたしが幼少期に観たあまたの「UFO特番」の元ネタ・原典が同作品であったと再認識しましたね。 話の骨格は『モーセの十戒』。 主人公のロイが家族を捨てて「出家」し、山(デビルズタワー)で「神」に出会うという宗教的な面を持っていることは今回の上映で知りました。 本作ではフランス人UFO学者のリーダーとして映画監督フランソワ・トリュフォーが重要な役で出演しておりますが、なかなか好演しておりましたね。

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矢萩久登

3.5あの宇宙船の行く先は

2024年8月23日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

他の版も含めて初めての鑑賞。もっと全編SF色の強い作品かと思っていたが、終盤まではホラー映画やパニック映画の様な印象。 主人公同様に見る側もあれが何なのか分からないまま話が進んでいく。何故あそこにフランス人のトリュフォーが配役されているのが何とも不思議だけど、力が抜けて丁度良い気もする。 終盤、一気にSF感が強くなる。シャンデリアの様な、クラゲの様な、美しい造形。こんなにも前から、こんな映像を作っていたなんてと、ただ驚き。 主人公を乗せて行く先はどんな所なのだろうか…

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komasa

3.5狂った親父のやばさよ!

2024年1月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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Duchamp

3.0未知とも遭遇するが、アーティストが抱える「創作の孤独」も描かれている。

2024年1月7日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

スピルバーグの傑作としてよく知られている本作。 ちなみに「ローリングストーン誌が選ぶ最高のSF映画150選」でも3位だった(1位は「2001年宇宙の旅」)。 アメリカで大規模な停電が起こったり、未確認飛行物体が飛来するなどといった現象が起こる。そんな中で、主人公のロイ・ニアリーはなにかに憑りつかれたようになり、導かれていく。 といったストーリー。 2時間ほどの作品で、1時間40分ほどを「なにか大変なことが起こっている」という予感だけで引っ張るのは見事だ。 スピルバーグの自伝的映画「フェイブルマンズ」で、子どもの頃に観た「地上最大のショウ」で、機関車が車を吹っ飛ばすシーンに魅了されるところから、スピルバーグはインパクトのあるビジュアルを好むのだとわかる。 だから、「予感」だけで物語を引っ張ることができたのだ。 ビジュアル的なすばらしさはあるのだが、この映画はなにを伝えようとしているのだろうか。アメリカ政府が極秘に進めている宇宙人とのコンタクトを、国民に開示する前に、免疫をつけさせるための「教育映画」だという話も聞くが、いまだに開示は行われていない。 自分は、主人公のロイが自分の中にある、まだ形の見えない「なにか」を追い求める姿に、アーティストがビジョンを形にするために四苦八苦する姿を見た。つまり、本作はスピルバーグ自身が創作の葛藤を語った作品なのではないだろうか。 だからこそ、あまたあるファーストコンタクト物の中でも傑作とされる力を持ったのだと思う。 本作の製作費は28億9千万円。興行収入は443億円。もちろん大ヒット作品ということになるが、それ以上の価値を与えられている作品でもある。

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あふろざむらい

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