霧の中のハリネズミ

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霧の中のハリネズミ

解説

「アート・アニメーションの神様」として世界中のアニメーターたちから尊敬されるロシア人アニメーター、ユーリー・ノルシュテイン監督の代表作で、児童文学作家セルゲイ・コーズロフによる物語を映像化した短編アニメ。ハリネズミのヨージックは、友だちの子グマの家でお茶を飲みながら星を数えるため、夕暮れの野原を急ぎ足で歩いていた。しかしいつの間にか周囲に霧が立ちこめ、ヨージックは様々な体験をする。ノルシュテイン監督と撮影監督アレクサンドル・ジュコフスキーが本作のために新たに制作した大型撮影台「マルチプレーン」を用い、多層のガラス面に切り絵を配置する独自の手法で描いた。2016年12月、ノルシュテイン監督の代表作6作品を集めた「アニメーションの神様、その美しき世界」にて、高画質・高音質でよみがえらせたデジタルリマスター版が上映。別邦題「霧につつまれたハリネズミ」。

1975年製作/10分/ソ連
原題または英題:Yozhik v tumane
配給:チャイルド・フィルム
劇場公開日:2016年12月10日

その他の公開日:1996年2月20日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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(C)2016 F.S.U.E C&P SMF

映画レビュー

5.0コグマとの友情。 霧の中で、出会う白馬。 ロードムービーだ。

2023年3月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

コグマとの友情。
霧の中で、出会う白馬。
ロードムービーだ。

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マサシ

4.5闇の不気味さ これは現実か幻想か

2021年7月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

難しい

ユーリー・ノルシュテイン監督作五本目。
恐らく彼の代表作。
霧の中に迷い込んだハリネズミのヨージックが体験する奇妙な出来事の数々。
なんとも不思議な10分間でした。
そして、前作の『アオサギとツル』を超える世界観と芸術性。
相変わらず秀逸なアニメーションと音楽。
霧の中の闇と光。平穏と焦燥。
コグマくんの元に戻ってきてもなお、謎の白馬を心配し、バックでは霧の中と同様の焦燥的な音楽が流れる。
木イチゴの砂糖漬けや多くの動物たち、川岸まで運んでくれた魚らしき何かの存在など、全て明らかにしないまま終わるため、観ているこちら側に不安とモヤモヤを与える。
主人公がハリネズミ(本当はそんなことないですけど、針で身を守る弱者)というのも良かった。

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唐揚げ

3.0はじめてみるもの、ふれるもの、それは素敵なたからもの。

2020年5月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

2020年5月6日

映画 #霧の中のハリネズミ (1975年)鑑賞

ロシアを代表する世界的アニメーション作家ユーリー・ノルシュテイン監督の作品。セルロイドに緻密に描き込まれた切り絵をベースにした短編アニメ。

川に流されて小さな冒険をするハリネズミのお話です。

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とし

5.0「深い」という感覚

2017年10月31日
PCから投稿

「深い」という感覚を、私はずっと気にしています。
  ここでいう深みとは無論、物理的な距離のことではなく、感覚の中に生じるものです。それは、何か永遠に不明瞭で曖昧模糊で捉えることができないが、しかしはっきりとした存在感は迫ってくる、そんな感覚です。そして深みは、謎めきや崇高さを呼び、心の豊かさや幸福感といった感動に直結するものだと考えます。

「霧の中のハリネズミ」は私にとって、多分に「深み」が感じられる作品であり、それゆえ、一つの理想の幸福感を表しているものだと考えています。

透明フィルムとアナログペインティングの表情が重なった美しい奥行きや複雑さは、まさに深みの感覚を視覚的に湧き起こします。とりわけ霧や陰翳、草の茂み、暗い川といった曖昧な空間を持つモチーフは、見えないけど奥に何かが在るという深みをよく感じさせていると思います。魚やコウモリの姿がはっきり見えていないことにも、同様に言えるでしょう。
 謎めいて、不可思議な世界はおもしろく、そんな魅力的な世界の一部として自分も存在している、という生への驚きは、そのまま生の喜びとして感じられるのです。
 一方で謎めいている自然界には恐怖や危険もあります。が、そんな一見ネガティブなものも、ここではセンス・オブ・ワンダーの一様として見ることができ、自然界の魅力の一部になっているのではないでしょうか。
 いってみれば、これはアニミズムに通ずる感覚でしょう。生きる環境に対する感動や畏敬の心は、ヒトにとって原始的で根源的な幸福感なのだと思います。多くの人が少なくとも子供の頃には気づいていた、世界や自然に対する感動が蘇るのではないでしょうか。

 …一人よがりすぎる見解になってしまったかもしれませんが、少なくとも私はそう見ました。

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JI

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