偶然

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解説

列車に乗り込もうとする主人公がたどる運命を3つのエピソードで語り、80年代初頭“連帯”下のポーランドに生きる人々をパラレルに描写した一編。同国出身で「デカローグ」「トリコロール」の名匠クシシュトフ・キェシロフスキ(96年死去)がポーランド時代、『傷痕』(76)、「アマチュア」(79)に次いで手掛けた監督第3作。81年に123分の作品として完成したが、当局によって上映禁止処分の憂き目にあい、87年1月になって、一部をカットした119分版でようやく公開された。撮影は「デカローグ/第4話」のクシシュトフ・パクルスキ。

1981年製作/119分/ポーランド
原題:Przypadak
配給:ヤコ

ストーリー

“連帯”下のポーランド、ウッチ。食糧暴動の混乱下の58年6月27日、ポズナンで生まれたヴィテク・ゴウシュ(ボズグワフ・リンダ)は、生後すぐ母を亡くし、父に育てられた。父の希望もあって、ヴィテクはウッチの大学で医学を学んだ。恋人はクラスメートのオルガ(モニカ・ゴジュジク)。父の訃報が届いてから、ヴィテクは意気消沈、大学に休学届を出して、ワルシャワに旅立とうとした。列車がまさに発車しようとした時……。【エピソード1:列車に無事乗ることができたら】客車で息を切らすヴィテクに声をかけたのは現体制に不満を抱く男ヴェルネル(ダデウシュ・オムニツキ)だった。ヴィテクは車内にいた護送中の長髪の男を逃がしてやろうとするが、相手は拒否。それを見ていたヴェルネルはヴィテクに親近感を抱く。ワルシャワのアパートでヴィテクに党への積年の恨みを語るヴィテク。党の仕事で外国に行く彼は、ヴィテクを自分の当時の同志アダム(ズビグニェフ・ザパシェヴィッチ)に紹介。アダムの尽力でヴィテクは党中央評議会で働くことになった。公園。ヴィテクはかつての恋人チュシュカ(ボズグワヴァ・パヴェレツ)と再会。地下出版活動に関わる彼女は、党員証を申請中の彼を不快がるが、二人はまた愛しあうようになった……。病院で麻薬中毒患者による医師監禁事件が発生。ヴィテクは現場に犯人との交渉役として赴く。首謀者はあの時の長髪の男だった。同世代の彼らの主張に共感を覚えつつも、彼はすきをみて医師たちを解放した。アダムは自宅に彼を呼んで労をねぎらう。アダムは現体制への不満をもらし、ヴィテクは党内部にも体制批判者がいると感じる。ヴィテクはチュシュカとのデート先のボートハウスで、発禁本を見つけ、何気なくアダムにそれを話してしまう。ほどなく、チュシュカはデート中に連行された。密告者の汚名を着せられたヴィテクはアダムの背信を知り、彼を殴るが、ヴィテクも今やアダムと同じ輩だった。チュシュカは解放されたが、ヴィテクを寄せ付けもしない。傷心のヴィテクに信じられるものはない。そんな彼にフランス行きの辞令が。しかし出発直前、“ポーランド全土でストライキ発生”。ヴィテクは連れ戻された。 【エピソード2:駅の警備員に制止されてしまったら】警備員を投げ飛ばしたヴィテクは逮捕され、裁判で奉仕労働を命ぜられる。刑期終了後。ヴィテクは、奉仕先で知り合った“飛ぶ大学”の活動をするマレク(ヤツェク・ボルコフスキ)に、地下活動家ステファン司祭(アダム・フェレンツィ)を紹介され、地下出版の仕事に従事することになった。出版局には大学の学部長(ズビグニェフ・ヒュブネル)の息子もいた。アパートの集会。ヴィテクは68年にユダヤ人排斥運動のため、デンマークに移住した友人ダニエル(ヤツェク・サス=ウフリノフスキ)と再会。彼は移住しなかった姉ヴェルカ(マジェナ・トリペワ)に会うため帰国したのだ。二人の姉妹愛に感動したヴィテクは、家族の暖かさと心の拠り所を得るためキリスト教に入信。だが、YMCAの集会に参加するためのフランス行きは、逮捕歴のため旅券の発券が拒否されて実現しなかった。ヴィテクはヴェルカに母性愛を感じて愛し合う。だが、彼女との情交中、地下出版局に当局の捜査の手が。鍵を持っていたヴィテクは内通者と疑われた。“ポーランド全土でストライキ発生”のニュースが流れる。 【エピソード3:列車に乗れなかったら】オルガがホームに見送りに来ていた。ヴィテクはワルシャワ行きを諦めて大学に復学。卒業式。オルガは妊娠を告げ、二人は結婚し、娘が生まれた。検修医として働く毎日。幸福が退屈に変わり、生活に刺激が欲しくなった。そんな矢先学部長の息子が違法出版罪で逮捕され、学部長はリビアでの講演の任をヴィテクに託し、彼は快諾する。オルガの誕生日の翌日。2人目を妊娠中の彼女と娘に見送られ、ヴィテクはワルシャワへ。空港。ヴィテクが乗った飛行機は離陸。だが、その直後炎上して墜落した。

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映画レビュー

3.5変わるもの 変わらないもの

因果さん
2022年3月25日
iPhoneアプリから投稿

もしもあの電車に乗れたら、乗れなかったら。ふとした偶然から青年の人生がバタフライエフェクト的に分岐していく(そういえば『バタフライ・エフェクト』もいくつかのifエンドに分岐する映画だったな…)。しかしどれだけ政治思想が体制に染まろうが反体制に目覚めようがノンポリに脱色されようが、青年の最も基本的な性質は変わらない。真っ先に意中の女をものにしようとするほほえましい恋愛脳はどのルートでも同じ。偶然によって変わってしまうものと決して変わらないものが、3つの分岐の対比上にぼんやり浮かび上がっていた。それにしても駅員や警備員といった体制の使徒たちの存在感は異様だったな。隙あらば無知で反抗的な若者たちをしょっぴいてやろうというゲスさを感じた。『灰とダイヤモンド』が制作された国なだけある。

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