餓狼伝
劇場公開日:1995年1月25日
解説
戦うことに命を燃やす男たちの姿をとらえた格闘技映画。夢枕獏の同名ベストセラー小説を「武闘派仁義 完結篇」の佐々木正人が映像化。主演は「パニッシャー」(マーク・ゴールドブラッド監督)への出演経験もあり、“ビッグハリケーン八巻”の異名を持つ極真会館の空手家・八巻建志。16ミリからのブローアップ。
1995年製作/95分/日本
配給:日本ビクター=東北新社
劇場公開日:1995年1月25日
ストーリー
学生時代、空手部の先輩をチンピラによって目の前で殺された過去を持つ文七は、それ以来何よりも勝つことだけを考えた“喧嘩道”に生きていた。彼は道場破りに訪れた「東洋プロレス」で前座レスラー・梶原と一戦を交える。試合は当初、文七の有利に展開するが、コーチ・川辺の檄に応えた梶原が猛反撃を開始。結果、梶原の逆転勝ちで試合は終わる。だが、双方の胸中にはそれぞれ後悔の念が宿った。血だらけの文七は、負けたことへの悔しさが。梶原は何度かサブミッションという技をかけながら、文七の骨を折ることまで出来なかった自分の不甲斐なさが。数年後、文七は梶原を倒すことだけを考え、様々な鍛練を積み、サンボをマスターしようと“不敗のサンビスト”と呼ばれていた河野を捜し出す。ところが、現在の河野はホテトル事務所の用心棒に成り下がっており、ましてやサンボをマスターしたことで親友を再起不能にしてしまった彼は、文七の願いを聞いてはくれなかった。そんな折、河野が勤める事務所が羽黒組の用心棒で剣術士の土方によって襲撃を受け、彼は間一髪のところで文七に救われる。翌日、文七は土方と改めて対決し勝利を収める。文七の実力が本物だと知った河野は彼の願いを聞いてやり、文七を慕ってやって来た青年・涼二ともども、サンボを伝授してやるのであった。サンボを身につけた文七はその力を確かめるために、「竹宮流柔術」の師・泉宗一郎に他流試合を申し込む。しかし、武道の精神を収めた泉にとって、文七は敵ではなかった。泉に負けたことで文七は、武道の道を極めるか、それともこのまま喧嘩道を突き進むか思案するが、丁度その頃、アメリカのプロレス界の第一線で活躍していた梶原が帰国してくることを聞き、因縁の宿敵を倒すことを決意する。今やなんの躊躇もなく敵の骨を折ることが出来るようになった梶原も、文七の挑戦を受けることを承諾し、二人はいよいよ決戦の時を迎えた。血が噴き出しても終わらない男の戦い。しかし、文七の絞め技が梶原の首に嵌まった瞬間、その試合に終止符が打たれた。負けた悔しさに崩れる梶原を尻目に、文七は勝利の雄叫びを上げながらリングを後にするのだった。