月よりの母

劇場公開日:

解説

製作は青柳信雄。「こころ妻」の脚本を書いた中田晴康が原作を書き、「その人の名は言えない」の脚本で井手俊郎に協力した八木隆一郎が協力して脚色したもの。「覗かれた足」の阿部豊が監督に、同じく三村明が撮影に当っている。配役は「髭のある天使」の夏川静江、「歌う野球小僧」の上原健「純白の夜」の河津清三郎、「その人の名は言えない」の風見章子、「盜まれた恋」の久慈あさみなどに、田中春男、江川宇禮雄、小林桂樹などが主なものである。

1951年製作/100分/日本
配給:新東宝
劇場公開日:1951年8月24日

ストーリー

濱田道子は三十六歳の時国雄、美子の子供を残して夫に死なれた。その夫が芸者に生ませた正雄という子があるのを知ってそれをも引取って女手一つで三人の子供を育てあげた。長じて、国雄と美子はそれぞれ結婚をし、正雄はヴァイオリンをならっていた。実子より、この正雄が一番に道子を慕い大切にした。大東亜戦争となって正雄は道子のことを心配しながら出征したが、国雄と美子夫婦はいずれも年老いた道子を邪魔にして追い出した。道子は街頭で菓子を売りながら正雄の帰るのを唯一のたのしみにして待ったが、ついに行き倒れになって養老院へ入れられた。しかしその間にも内田健二とキン子の二人を正しい道に立ちかえらせてやった。長いシベリアの抑留生活からやっと解放されて正雄は帰って来たが、すでに遅く、道子はしかし正雄の手をにぎってうれしそうに笑い、静かに息をひきとった。

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