獄門島(1949)

劇場公開日:1949年11月20日

解説

「花嫁と乱入者」に次いでマキノ満男のプロデュースする東横京都作品、探偵小説作家横溝正史(「本陣殺人事件」は「三本指の男」の題名で映画化、脚色比佐芳武、監督松田定次、主演片岡千恵蔵)の同名の原作から前作に同じく比佐芳武の脚色、松田定次(「白虎」)の監督する探てい映画、主演は「三本指の男」に同じ金田一耕助の役で「白虎」の片岡千恵蔵、「透明人間現わる」の喜多川千鶴のほかに「野良犬(1949)」の千石規子、「仮面舞踏会」の朝雲照代、谷間小百合「晩春」の三宅邦子、ほかに斎藤達雄、小杉勇、大友柳太朗、村田宏寿、澤村國太郎、進藤英太郎、月宮乙女、原泉子などが出演する、なおこれは前後篇に分けて公開される。前篇75分、後篇94分。

1949年製作/169分/日本
配給:東横
劇場公開日:1949年11月20日

あらすじ

金田一耕助は復員の船中で戦友鬼頭千万太の臨終に立会い「ぜひ行ってくれ、三人の妹が、殺される」とのナゾの言葉を聞いて帰国と共に単身彼の郷里である海中の孤島獄門島に鬼頭家を訪ねる。鬼頭家は本鬼頭と分鬼頭に分れて権力争いから常に激しい反目を続けている。彼が滞在した本鬼頭の家には当主で千万太の祖父に当る嘉右衛門が病床にあり、父与三松は精神の異状で座敷牢にいる。月代、雪枝、花子の三人は千万太の腹違いの妹で家政は千万太の従妹早苗が仕切っており、彼女の兄一は唯一人鬼頭の跡目を継ぐ者だが復員後家族との不和から家出して行方不明である。分鬼頭には当主儀兵衛とその妻お志保、彼女に弄ばれている美少年章三の三人が住み常に本鬼頭と対立していた。耕助が来て間もなく、近所の島を襲った海上ギャング団の片割れがこの島に上陸したという不安の中に嘉右衛門は息を引取り、その葬儀の夜章三との逢引きで家を出たまま行方の知れなかった花子が漁具倉庫に死体となって発見された。島に唯一人の清水巡査の無力に協力して捜査に努めようとした耕助は却って疑われて容疑者として留置されてしまう。県の警察本部との電話連絡の故障に疑惑をもった清水巡査は島の電話線を点検に行って通信妨害を企てる海上ギャング団を発見し烈しい射合いとなる。その少し前に島へは耕助の助手白木静子が「金田一耕助生命の危険あり、急用と偽りて召還せよ」という偽電に接してかけつけていた。一晩中をやがて起る事件の不安に焦慮していた耕助が静子の言で留置場から解放された時、第二の殺人が起きた。雪枝が屏風岩の松の木の枝に吊し殺されていた。耕助は折柄到着した磯川警部らと共に必至の捜査を開始した。殺された二人に常に関連していた章三の取調べから耕助は儀兵衛とお志保を怪しいとにらむが間もなく行き詰り捜査の手は本鬼頭の家に移る。耕助は、確り者らしい中に何かを隠している様な早苗の態度に目をつけていたがある夜彼女の行動から海上ギャング団の一味を発見した。早苗はその中に兄一がいるものと思って食糧や煙草を持って行っていたのだった、しかしそれは一ではなかった、早苗は欺かれていた、続いて起る不安にがく然として耕助たち一行が本鬼頭の家にかけつけた時、最後に残った月代は祈祷所で絞殺されていた。相次ぐ事件の続出に苦闘して漸く全貌に思いを巡らし、本鬼頭の下男竹蔵に重大な疑点を見出した耕助、深夜の調室に転がり込んで来た章三、分鬼頭の儀兵衛が寝室で殺害された。耕助はすぐ本鬼頭の家にかけつけて三人の後見人千光寺了然、荒木真喜太、村瀬幸庵を呼び集めて峻烈な取調べを開始する。耕助の鋭い頭脳には誤りなく、一を呼び寄せて由緒ある本鬼頭の家名を立てるために汚れた血の混る三人の娘を邪魔者として片附けてしまったのだ。耕助の言葉に一同が恐れ入ったあと、人々は耕助の次の言葉にがく然とした「鬼頭嘉右衛門は生きている」そしてその言葉通り、嘉右衛門は天井裏から現れ、絶え絶えの息を絞って「三人の馬鹿娘と儀兵衛夫婦はわしが手にかけた、一に帰って本鬼頭の名跡をつがせてくれ」と語った後息が切れる、主犯嘉右衛門は偽葬式という方法でアリバイを造り、三人の後見人に竹蔵を加えた四人の共犯者の協力で連続殺人を完成し、更にその罪を分鬼頭儀兵衛に転嫁しようとしたのであった、事件もすっかり解決した朝、行方不明の一から「事件は新聞でみた、すぐ帰る」との電報が入った、静子を伴って巡航船に乗った耕助は「封建的な……余りに封建的な」と詠嘆をもらしていた、巡航船の甲板に手を組んで立つ二人の蔭には更生を決意した傷心の章三がたたずんでいた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

2.5 金田一耕助、拳銃をぶっ放つ!

2026年3月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

東映チャンネル(スカパー!)「横溝正史の金田一耕助スペシャル」特集放送にて。

〝ごくもんじま〟である…

片岡千恵蔵=金田一耕助シリーズの第二弾。
磯川警部役は、前作『三本指の男』の宮口精二から大友柳太朗に変わっている。同じく、白木静子役も原節子から喜多川千鶴に交代している。

封切時は、前篇『獄門島』が公開されて2週間後に後篇『獄門島 解明篇』が公開されているが、今観ることができるのは前後編を合わせた総集編。
恐らくフィルムの紛失もあったのだろう、ブツブツと切って繋いだ短縮版で、欠損が多くて非常に解りづらい。画質も前作より古く感じる。
そのうえ、片岡千恵蔵と大友柳太朗が謎解きの会話をするので、まるで何を喋っているのか判らない。
当時の映画ファンは彼らのセリフが聞き取れたのだろうか。というより、会話している2人もお互い何を言っているか判っていないに違いない(笑)

犯人と動機は概ね原作通りなのだが、驚きの改変がなされている。
しかも、芭蕉の句も釣り鐘も出てこないのだから、肝心のところで「獄門島」とは言えないのではないか。
前作では、目的は改変していたもののトリック自体は原作通りで、それをちゃんと映像化していた。
だが、本作は完全にトリックを放棄しているのだ。

横溝正史作品に登場する女性はほとんどが美人だ。「獄門島」には2人の美女、いや三姉妹の3人とも美人だから、5人の美女が登場する。
ヒロイン的キャラクター本鬼頭家の早苗に三宅邦子。原作の清楚で温かい人物像との乖離はあまりないが、洋装の若い娘だという点では少しイメージが違う。
分鬼頭家の志保に月宮乙女。こちらは原作とはずいぶん違って悪女的なキャラクターになっている。
月・雪・花の三姉妹に、千石規子・朝雲照代・谷間小百合。被害者となる彼女らなのだが、扱いはぞんざいだ。

白木静子は「本陣殺人事件」のキャラクターを『三本指の男』で改変したこのシリーズのオリジナル・キャラクターで、本作でも金田一にヒントを与える役割を担っている。
そういえば、彼女を島に呼び寄せる電報を打ったという富山の薬売りとは何者だったのだろうか。

清水巡査(小杉勇)が夜どおし逃亡中のギャングと撃ち合いをしていたのに、翌朝「あぁ、疲れた…」と言わんばかりのテイで駐在所に帰ってくるのは笑える。

原作では故人だった鬼頭嘉右衛門が、本作では金田一が島に着いたときにはまだ生きている。そして、千恵蔵が二役で演じている。
その鬼頭嘉右衛門に金田一が変装するエピソードがあって、わけがわからない。
変装を解きながら「想像を絶している…」とつぶやくが、それはあなただ金田一さん。
真犯人を問いつめたあと、突然「がっはっは…」と狂ったように大笑いしながら走りだすところなど、まったくもってシュール。

「またも常識の敗北。人の執念がかほどまでに根強く、かほどまでに凶悪であると、まったく思いませんでしたよ」
脚本の比佐芳武はどうしても千恵蔵に時代がかったセリフを言わせたいらしい。
「封建的な、あまりに封建的な」
という金田一による批評の言葉は原作にもある。
とはいえ、犯行の動機をたいして説明もせず、このセリフがすべてを表しているかのような集約のしかたは、いかがなものか。

さて、変装して捜査する金田一耕助は、シリーズ2作目にして拳銃を所持して堂々と撃つ。
犯人を撃ち殺さないだけ、いいが…。

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kazz

3.5 これはたまげた…見事にやられた…!

2024年11月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

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しゅうへい

2.5 賢しらぶった話しっぷりは鼻につくが、ソコソコ引き込まれるものはある。

2023年11月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

賢しらぶった話しっぷりは鼻につくが、ソコソコ引き込まれるものはある。

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Mr. Planty