浮気の季節
劇場公開日:1959年8月26日
解説
松浦健郎の原作を、原作者自身と「ゆがんだ月」の山崎巌が脚色し、「二連銃の鉄」の阿部豊が監督した喜劇。撮影は「爆薬に火をつけろ」の岩佐一泉。
1959年製作/85分/日本
配給:日活
劇場公開日:1959年8月26日
ストーリー
ある大会社の人事課長・桐野省三には年頃の娘が三人いた。長女の直子は、サラリーガールでありながら株に手を出しては利潤をあげているという才女型、次女のマキは、テレビディレクターという仕事に情熱を傾けている男勝り型、三女の桃子は、女子大生でスポーツ万能というお転婆型である。いずれも、早く妻を亡くした省三が男手一つで育て上げたのだ。娘たちは親爺の誕生日に見合いをさせるということに衆議一決した。一方、省三は社長の印藤に呼びつけられ、二九八人目のクビ切りを命ぜられた。省三は、停年を前にしてこれ以上クビ切りはしたくなかった。やがて誕生日。マキのボーイフレンドで警官の石毛が、君子という中年の婦人を連れて現われた。見合いとは知らぬ省三は、親しく君子と談笑した。--印藤家では、一悶着が起っていた。一人息子の良平が、ストリッパーのジェニー原田との結婚話を持ち出したのだ。社長は、省三を呼びつけ、良平にジェニーを紹介した宮本をクビにしろと命じた。省三は仕方なく宮本をクビにした。ところが、直子が宮本の後を追って家出したのである。マキは、自分の関係するテレビのコマーシャルに懸賞金十万円のクイズの当る方法を二人に教えた。宮本は早速テレビ会社に電話した。賞金獲得の喜びを語る宮本、それを録音するマキ、と石毛を先頭とする警官隊に逮捕された。石毛は省三に言った。「未来のお父さん、これは僕のマキちゃんに対する恋愛作戦です」と。さて省三は、熱海で良平に会わせると、ジェニーを連れ出した。この間に良平の式を挙げてしまうという社長の命令で。熱海では、死んでしまうというジェニーに、省三は一緒に自分も死ぬと睡眠薬を飲んだのである。これには、ジェニーも慌てた。この時式場を逃げ出した良平が来ているのではないかと社長が現われた。省三を介抱するジェニーを見て、むりやり省三とジェニーに仮祝言させた。この様子を、隣に来合わせていた宮本と直子が見た。良平が桃子と駈けつけた。しかし、ジェニーはいつのまにか姿を消していた。--社長は省三の停年を取り消し、宮本の復職を許した。宮本-直子、石毛-マキ、良平-桃子の三つのカップルは、新婚の旅に向った。彼らを見送る省三の傍には、君子が寄りそっていた。