貞操の嵐
劇場公開日:1959年4月3日
解説
かつて毎日新聞に連載された牧逸馬原作の同名小説を「殺人犯七つの顔」の村山俊郎と土居通芳が共同脚色し、「女間諜暁の挑戦」の土居通芳が監督したメロドラマ。撮影も「女間諜暁の挑戦」の森田守が担当。
1959年製作/86分/日本
原題または英題:Stormy Virtue
劇場公開日:1959年4月3日
ストーリー
百合と稔は結婚式を間近かにひかえていた。稔の父が死んだので、フランスに留守中の稔の兄武彦が帰国した。武彦は稀代のドンファンで、美しい百合をみて早くも彼女に関心を抱いた。彼は叔父の栄造と謀って稔を大阪に追いやり、その留守中に百合の貞操を奪った。苛責の念に耐えられなくなった百合は大阪に向った。稔には会えなかった。帰宅した百合には、父の死と母の発狂が待っていた。すべてを知った稔は、兄を罵倒し家を飛び出した。百合の家族に詑びた稔は、すべてを水に流そうと百合にいったが、彼女は承知しなかった。会社勤めをした百合に、武彦はあらゆる方法で脅迫した。百合は肉親のため、稔の幸せのために、すべてをあきらめて武彦と結婚した。しかし、百合は武彦に自分の体に一指も触れさせなかった。百合は今でも稔を愛していた。武彦は百合の復讐を受けヤケになった。栄造は総会屋の山田と組んで、武彦の会社を乗っ取ろうとした。ある日、百合は友人の一郎から稔が彩子と結婚するから、邪魔をしないでくれといわれた。その夜、百合の母は稔や妹の桃代の看護の効もなく死んだ。稔は百合の行為を責めた。百合は生活費を稼ぐため保険の外交員になった。稔と彩子の婚約が発表された。百合の真意を知った稔が、彼女をたずねたが百合はいなかった。武彦は傷害事件で警察に留置された。稔は百合が自殺するために家出した跡を追った。稔は百合と二人で楽しく遊んだ、想い出の丘の公園で彼女をみつけた。すべての誤解はとけた。二人は明日への希望に胸をふくらませながら、丘を下りていった。