盗まれた縁談
劇場公開日:1958年11月29日
解説
「恋と花火と消火弾」の池上金男の脚本を、「おーい中村君」の原田治夫が監督、「夜の素顔」の中川芳久が撮影した明朗篇。「娘の冒険」の叶順子、「軍国酒場」の石井竜一に、紺野ユカ・見明凡太朗・立花宮子らが出演。
1958年製作/54分/日本
配給:大映
劇場公開日:1958年11月29日
ストーリー
香川庄司は大学生で、ラグビー部のキャプテンだ。恋人のサチ子は父の豪平が社長の大住産業の入社試験をむりやり受けさせた。サチ子が試験問題を聞きだしたりした細工がかえってアダになった。なぜなら、問題がもれたのを気づいた豪平が庄司だけにはペテンのような問題を出したから。豪平は俥屋からたたき上げた人物である。サチ子は友人・桂子の父のやっている俥屋に庄司をバイトとして住みこませた。シャンソン芸者の次郎が一目で夢中になった。彼の俥を愛用する。彼女の叔母・柳月の女将おせきは彼を次郎の婿にと思う。桂子も彼に思いを寄せる。彼女の父・源造も彼を娘の婿にと思いこんだ。サチ子の父だけがそうは思わぬ。なぜなら、ある日、大住産業とフランスの貿易商の取引があり、通訳が急病を幸いに、サチ子が庄司を代役にしたてたのだが、庄司は豪平の悪ラツな取引きぶりに腹を立て、彼をどなりつけて引き揚げてしまったからである。取引きはメチャメチャ、庄司との仲がばれると、父はもう絶対反対で、気にいりの秘書、キザな高田を婿にしろというのだ。貿易商は庄司の通訳ぶりをめで、取引きを喜んで結ぶといってきた。サチ子に頼まれて出た契約の席の後、庄司は豪平とケンカしてしまう。あまり金、金、と豪平がいいすぎるのだ。サチ子ともケンカしてしまった。庄司と同じラグビー部のチビ小野が桂子を見染め、俥屋へ住みこんできた。同じデブの大山は次郎を見染め、柳月の板前に住みこむ。源造とおせきは庄司のことでケンカするが、そんなことが彼のサチ子への想いをいよいよ固めさせる。サチ子は高田との結婚を迫られ、家出した。高田に捕ったとき、小野と大山が来合せる。庄司も来合せ、サチ子を救う。すすめられて、二人は駈落ちすることにする。豪平は娘を探して俥宿へ来、昔の兄貴分・源造からさとされ、娘の願いを聞く気になった。一同連れだってサチ子を探しに出ると、小野と大山が前を逃げていくではないか。それ、追っかけろ。庄司とサチ子も追われる小野らと追う豪平らを見て、てっきり手が廻ったと思った。タクシーに乗って一目散。--三台のタクシーの追いつ追われつが始った。