裸女と拳銃
劇場公開日:1957年12月7日
解説
内外タイムス連載の鷲尾三郎の小説『地獄の神々』を、「肉体の悪夢」の原作脚色者、陶山鉄が潤色し、「池田大助捕物帖 血染の白矢」の田辺朝巳が脚色した娯楽活劇篇。「8時間の恐怖」の鈴木清太郎が監督し、「狂った関係」の松橋梅夫が撮影した。主演は、「肉体の悪夢」の水島道太郎、「童貞先生行状記」の菅井一郎、それに白木マリ。ほかに南寿美子、芦田伸介など。
1957年製作/88分/日本
配給:日活
劇場公開日:1957年12月7日
ストーリー
銀座で救いを求められた女にアパートへ誘われたキャメラマン槙健策は、そこで五十男の屍体にぶつかった。逃げようとした時、すでに女は部屋の鍵をかけて立去っていた。警察に連行された槙は昨夜の女とそっくりの女に会った。殺された男石垣の秘書高垣静といった。槙は記者の須川と共に事件の究明を始めた。彼は静に接近し、あの夜の女の脇の下にあった痣の有無を調べようとした。それには失敗したが、二人は互いにひかれ合った。ある日、謎の女から救いを求める電話がきた。約束の場所へ着いた槙は拳銃を持った男達に取り囲まれたが、パトロールカーの到着に危く難を逃れた。須川はその時静の部屋のシャワーの音をたしかめた。謎の女は静ではないのか?槙が死体の側で拾った真珠のイアリングは天道立命教の会員章だった。この秘密麻薬結社は秘密を知った槙を車で誘拐し、監禁した。そして彼の体と引きかえに、彼に恋する下宿の娘まゆみを使い仏像に隠した麻薬売上げの金を取ってこさせようとしたが、張込みの刑事に捕えられ、槙も救助された。その頃芝浦の海岸に麻薬患者の死体を乗せたボートが漂着した。23PM・11CH……と舟板に書かれてあった。今晩十一時、香港へ出帆するチャタレー号。そう解読した槙はチャタレー号に乗り込み麻薬密輸団の首領奈良山と対決した。奈良山は石巻殺しも今日の殺しも俺がやらせたと豪語した。激しい格闘の末、奈良山が拳銃を構えた時、静が飛びこんできて槙の身替りに撃たれた。奈良山は保安庁の一隊に追われ、モーターボートに乗って逃げた。静を助け起した槙はその脇の下に痣を見た。謎の女は彼女だった。殺人事件のトリックに彼を利用したのだ。しかし彼女は槙に愛を告白した。そして、奈良山のボートが彼女の仕掛けた時限爆弾でふっ飛ぶ轟音を聞くと、そのままこと切れた。