穴(1957)

劇場公開日:

解説

「東北の神武たち」の久里子亭の脚本にもとづき同じく市川崑が監督したロマンティック・コミック・スリラー。撮影は小林節雄。主演は「夜の蝶」の京マチ子、船越英二、山村聡、川上康子、「真昼の対決」の菅原謙二。

1957年製作/102分/日本
原題または英題:The Lady Has No Alibi
劇場公開日:1957年10月16日

ストーリー

有能な美人記者北長子は、鳥飼巡査から聞き出した材料で、猿丸警部をモデルにした汚職警官の記事を書いて、文芸公論を馘になった。悲観している長子に友達の赤羽スガが、長子自ら一カ月間この世から失踪して、そのルポルタージュを書き、その長子を探す懸賞募集というプランを、雑誌社に売りこめとすすめた。長子は週刊ニッポン社と契約して、スガの紹介で第億銀行の白州に資金を借りに行った。白州は部下の千木や六井と共謀して、自分たちの預金横領の犯人に長子を仕立てようとたくらんだ。ある日、長子は例の記事のために、警官を免職になり千葉に帰って私立探偵になるという鳥飼に会った。失踪完遂の前日、変装した長子は白州をたずねた。そこではからずも、長子の替玉の中村竹子のいることも、白州たちの悪事も知った。そのあとで六井をたずねると、六井は何者かに殺害され、妹のふき子に犯人と間違えられた。猿丸警部は六井殺しの犯人が長子であるらしいと捜査を始めた。長子は鳥飼のところに、事件解決の協力を頼みに行った。千木は長子の味方をよそおって、偽せの長子に会わせるといって、彼女をおびき寄せようとしたが、長子は事前にそれを察知した。一足先に竹子に会い、そこで荷物の預り証の三分の一を手に入れた。またふき子の所からも残りを探し出して、あずけた荷物を横取りしてみたが、中味は現金ではなく新聞紙であった。長子は白州のところに行って、荷物の一件を話しているとき、しのびよった千木のために白州は射殺された。しかし千木は北海道に高飛びする寸前に捕えられた。そして観念した千木は捜査室の窓を破って飛降り自殺した。長子と鳥飼は失踪成功の賞金で、東京に法律事務所を開く相談をするのであった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.5かっこいい

2023年7月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

前知識なしにこの映画を観たのですが感動しました。
日本に、それも昔からこんなにかっこいい面白い映画があったのか!

市川昆監督がなくなられたのが本当に惜しまれます。

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こまめぞう

3.5七変化 マチ子早口 頭イイ

2021年6月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

京マチ子演じるキレ者ジャーナリストが、ある時は叶姉妹の姉の恭子(ホントです!似てました)、ある時はぽっと出の田舎娘、そして最後は「逃げ恥」(ホントです!まさにテーマ)。グチャグチャだけれどスピード感があってワクワクしました。彼女のsuper早口滑舌➕演技は抜群。思わせぶりがなくてさっぱりしてたので気持ちが良かったです。ひとっ風呂浴びたような爽快感でした。

市川崑監督は不思議な監督。重要ポイントで唐突に鉄の塊というか工事現場みたいのを映す。それが「鍵」では車両連結だった。(当時の)現代を表現?

銀座の空が広かった。自分が生まれる前の東京。その頃の街の様子と男女のファッションや話し方を見ることができるのも昔の邦画を見る楽しみの一つ。

おまけ
この映画を見て船越英二ってマストロヤンニに似てると思った。後日、船越英二が和製マルチェロ・マストロヤンニと呼ばれていた、という一文を読んでびっくりした。二人は同世代。年取ってからはかなり異なるけど、若い時の二人は似てると思っていいんだ❗️

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talisman

2.5早口マチ子

2020年4月22日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

57年大映。監督市川崑・主演京マチ子。サスペンスコメディといった趣き。
グラマラスボディを披露するが色気を感じないのが逆に凄い(メイクのせいかな)。しかしこんな京マチ子は見たことがなかった。

筋はかなり乱暴で統合性はないのでリズムやタッチを楽しむ映画かな。相変わらず船越英二が良い(今回は悪役)。

ラストの畳み掛けとザクッと終わるのがなんともすごい。奇妙な小品でした。

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散歩男

3.0脚本はかなり無茶苦茶なので、ミステリーとして筋を追うより画面に集中...

2019年8月4日
iPhoneアプリから投稿

脚本はかなり無茶苦茶なので、ミステリーとして筋を追うより画面に集中するのが吉。市川崑の革新的な演出と、京マチ子の日本人離れしたいい女っぷりを楽しむ映画。

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共感した! 2件)
むろヰ