真昼の対決

劇場公開日:

解説

小説倶楽部所載の「激情」から「銭形平次捕物控 女狐屋敷」の小国英雄が脚本を書き、「永すぎた春」の田中重男が監督「ふるさとの灯台」の渡辺公夫が撮影した大映ビスタビジョン、大映カラーで描くアクション・ドラマ。主演は「妻こそわが命」の菅原謙二、「夜の蝶」の山本富士子、八潮悠子、川崎敬三、「誘惑からの脱出」の角梨枝子、「危険な英雄」の志村喬、「ふるさとの灯台」の北原義郎。ほかに倉田まゆみ、東山千栄子、村田知英子、見明凡太朗、岸輝子、清水元、石黒達也、佐々木孝丸など。

1957年製作/101分/日本
原題または英題:Duel at Noon
劇場公開日:1957年9月3日

ストーリー

酒と女、ばくちと喧嘩に明け暮れる北国のダム工事現場に、種ケ島権兵衛という柔道五段の牧師が赴任してきた。工事場では大館組と山田組のあらくれ作業員が働いているが、仲が悪く喧嘩出入りがいつも絶えない。権兵衛は分教場の萩野信子先生と協力して、子供たちに野球を教え、ばくちや喧嘩の真似をやめさせた。作業員相手の飲み屋ちとせの女給千代を根気よく張りにくるのは、殺人の前科をかくして大館組の帳付けをやっている田代と、山田組の飯場頭辰五郎だ。親の借金と、弟の学費のため女給になった千代は、深酒から体をこわしたが、医者がインチキで一向によくならない。医大出身の権兵衛は病気をなおしてやろうと骨を折り、千代にはその好意が身に泌みてうれしい。面白くないのは彼女に執心の辰五郎だ。彼は礼拝堂で説教中の権兵衛に仕込み杖を振り回した。初めは防禦一方の権兵衛も、つい柔道の手が出て投げ飛ばした。翌日、辰五郎は子供をつれて教会に現れた。そして、弟子にしてくれと頼み、信者気どりで讃美歌の練習を始める始末だ。千代は手当をして貰ったお礼に、自分で編んだ手袋を権兵衛に贈った。千代の権兵衛への慕情はつのるばかりだが、所詮叶わぬ恋と諦め、再び深酒にまぎらす日が続いた。見かねた信子は権兵衛に、「千代さんを倖せにできるのは貴方だけです」というが、その信子も、ひそかに権兵衛を想っているのだ。やがて、ダムの第一工事が完成したが、その祝賀会の席上で、第二次工事は大館組だけでやると発表された。辰五郎は血相変えて教会へ駈けつけ、大館組へ殴り込みをかけるから許してくれといった。しかし権兵衛は、「辰さん一人で話に行くこと。絶対に暴力を使ってはいけない」とさとした。単身、大館組に乗り込んだ辰五郎は田代に刺され、教会まで這って帰ると絶命した。権兵衛は手にした聖書を十字架にそなえ、「僕はもう牧師じゃない。ただの人間です」といい放つと、必死にとめる千代の手を振り切って工事事務所へ向った……辰五郎の仇を討った権兵衛が、千代の編んだ手袋をもって瓢然と去ったのは、それから数日後のことだ。

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