最後の突撃(1957)
劇場公開日:1957年1月22日
解説
大平洋戦争中、ラバウルに散った将兵の姿を描く戦記篇。松浦義教の原作を「肉体の密輸」の陶山鉄が脚色、同じく阿部豊が監督し、「デンスケの宣伝狂」の峰重義が撮影を担当した。主な出演者は「肉体の密輸」の水島道太郎、「哀愁の園」の葉山良二、「沖繩の民」の安井昌二、「孤独の人」の大坂志郎、「川上哲治物語 背番号16」の二本柳寛、牧真介、「飢える魂」の小杉勇の他、三島耕、西村晃、弘松三郎、近藤宏など。
1957年製作/86分/日本
配給:日活
劇場公開日:1957年1月22日
ストーリー
昭和十九年十月、ラバウル決戦の拠点ズンゲンに年少気鋭の成瀬少佐が指揮する成瀬大隊は死守玉砕を任務として派遣。翌年三月、米軍は激烈な艦砲射撃の末ズンゲン上陸作戦を開始、守備隊長からは“斬込みを敢行”と最後の無電が入る。司令部参謀の一人松下少佐は、玉砕の実相は何かと深い懐疑に沈むが、折も折、ヤンマー警備隊から、ズンゲンの生存将兵が当地に到着しつつあり、との機密電報。沼兵団長の任地に復帰せよという厳命にも前進の模様は見えず、ラバウル全軍の面汚しと藤川参謀は憤激。松下参謀は自ら現地に赴き、事情を聴取することを志願。この頃、ヤンマー司令部から報告に戻ったズンゲン隊所属の下山軍医は、無暴な玉砕行為を憤激しつつ自決する。ジャングルを無事通過した松下参謀は、ヤンマーで生存の将校八名、下士兵総数九十三名からズンゲンの現況を聴く。彼のいたわりに、始めは不安と恐怖にかられた生存将兵も次第に親近感を抱く。寺本小尉、花井中尉ら六将校は新しい決意を抱くに至ったが、秋山中尉と馬場小尉は松下の努力も空しく、果ては手榴弾を持ち脱走を企てた上、警備隊長岡大尉と部下に連行され自決させられるに至る。翌日、司令部の任務を遂行した松下参謀は生存将兵の指揮官に自ら着任、敵地に夜襲敢行を命令する。祖国のため一刻でも長くラバウルを守ることが先決と訓示した松下参謀は白襷十文字の姿で皆を率い、帰らざる最後の突撃へと出発した。