銭形平次捕物控 死美人風呂
劇場公開日:1956年2月11日
解説
野村胡堂の原作を「宇宙人東京に現わる」の小国英雄が脚色、「怪盗と判官」の加戸敏が監督、「花の渡り鳥」の牧田行正が撮影を担当した。主なる出演者は「花の渡り鳥」の長谷川一夫、「歌え! 青春 はりきり娘」の美空ひばり、「復讐浄瑠璃坂・二部作」の大河内傳次郎、「続々獅子丸一平」の市川小太夫、「唄祭り 江戸っ子金さん捕物帖」の川田晴久、「まらそん侍」の三田登喜子、「又四郎喧嘩旅」の阿井美千子など。
1956年製作/90分/日本
原題または英題:Sisters of Destiny
劇場公開日:1956年2月11日
ストーリー
弘化二年、伊達藩では世嗣をめぐって国表と江戸定府が対立していた。当主頼宗に子供がないので江戸方では一門の伊達主水正をたてようとしていた。ところが頼宗には十七年前、腰元との間に出来た女の子があることが判明した。その子供を預っていた乳母のお滝を後添にもらった軽業の悟自斎はある日、密命を帯びた伊達藩の剣持礼之進の訪問を受けた。悟自斎には四人の娘があった。お雪、お妙、お千代ほお滝の連れ子で、もう一人のお鶴は先妻の娘である。姫君には左乳房に痣があるというのだが、三人娘には全部痣がつけられてあった。主水正も礼之進の行動を探ってこの秘密を探り出し、先ずお雪を、ついでお千代を殺した。ついで石町の伊勢屋の養女になっているお妙を誘拐したが、彼女の美しさにひかれてお妙を母継に仕立てて伊達家を乗取ろうとした。一方、証拠のお墨附と短刀の行方が判らないので悟自斎を捕えて折檻しこれを殺した。一味に狙われたお鶴を救ったことから銭形平次は子分のガラッ八とともにこの事件にまきこまれ礼之進等と活躍することになった。お妙と頼宗対面の日が近づいたのを知った平次は伊達家下屋敷に忍びこんだが敵の陥穽に落ちて捕えられた。お鶴は得意の軽業に物をいわせて平次を救った。かくて種々探索の結果、平次の苦心は報いられた。お鶴こそ本物の落胤だったのだ。だがお鶴は大名の姫になるのを泣いていやがった。彼女は証拠のお墨附を焼きすてたが、平次に短刀を発見された。頼宗との対面の日、真相を知ったお妙は自害し、こと敗れたのを見た主水正は切腹した。自分を送り届けて伊達の屋敷を去って行く平次にお鶴は塀の上で一世一代の逆立ちをして別れをおしむのだった。