電光空手打ち

劇場公開日:

解説

牧野吉晴の原作を小林大平が脚色、「東京摩天街」の津田不二夫が監督、「力闘空手打ち・三部作」の福島宏が撮影を担当した。主なる出演者は「生きものの記録」の小川虎之助、「ふり袖小天狗」の浦里はるみ、「身代り紋三 地獄屋敷」の佐々木孝丸、「まぼろし怪盗団 (三部作)」の藤里まゆみ、新人高倉健など。

1956年製作/59分/日本
劇場公開日:1956年1月29日

ストーリー

沖縄の話。剛柔流唐手の中里東恩は娘の恒子、息子の克明、弟子の赤田や忍達と唐手術を練っていた。忍は中学で唐手を教えている名越義仙の人物にひかれて、彼の門弟になるべく、東恩のもとを去っていった。その頃、東京で文部省主催の運動体育展覧会が開かれることになり、沖縄の唐手代表として義仙が選ばれた。それを知った東恩は怒った。赤田は陶工湖城空典を訪れ、義仙と決闘するのだから立合人になってくれと頼んだ。義仙の人物を知る空典は一喝して赤田を追い払った。空典はその事情を手紙にして、娘の志那子に持たせて義仙の家にやった。彼女は義仙の家にいる忍と会った。一夜、空典は何者かに襲われ、志那子の唐手による奮闘も空しく傷ついた。ために志那子は芸妓となって家計を助けることになった。宴席で図らずも志那子の踊りを見た義仙と忍は、彼女の踊りの中に唐手の精神が入っているのを見せられた。その帰途義仙達を襲った東恩一味を、義仙の制止もきかず、忍が迎え討ったことから、義仙の怒りを買った忍は破門同様の身となり、空典の家に身を寄せることとなった。忍と志那子はそこで将来を誓い合う仲となった。義仙は東京に向った。ある夜、執拗な赤田達の襲撃をさけて忍は志那子の働く花崎楼に逃げ込み、志那子に明日の船で東京に行くのだと打ち明けた。翌日、忍を探しに志那子の家に来た赤田と恒子は忍がその日東京に向うのを知り、港に急いだ。志那子もまたその後を追った。しかし二組とも間に合わなかった。走る船の甲板上では、忍が一人、茫然として遠くなる港を見つめていた。

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映画レビュー

4.0この主人公は、この映画の最後に至るまで、沖縄空手の極意を理解してい...

2023年6月10日
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鑑賞方法:VOD
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When I am 75♥️

2.5高倉健ファンがしみじみするためだけの映画

2022年9月6日
iPhoneアプリから投稿

知る人ぞ知る高倉健のデビュー作(&主演作)。不殺・受け身を題目とする沖縄空手の名人に惚れ込んだ高倉健が一所懸命修行に励む。大作の付け合わせ&新人俳優のお披露目映画ということもあり作りが雑なのは仕方がないと思うが、それにしたって高倉健が短気すぎる。不殺・受け身の題目はどこへやら、師匠の叱責もいざ知らず迫り来る悪漢たちを次から次へとめった打ち。そらまあ破門もむべなるかなと得心せざるを得ない。元同門生のライバルとサシで戦うラストシーンも消化不良のまま呆気なく終幕してしまった。不殺・受け身とはなんだったのか、この不自然きわまる終わり方はなんなのか、そして電光空手打ちとはなんだったのか。あまりの不可解に雷に打たれたかのごとく唖然と口を開けるほかない我々観客こそがその秘儀のターゲットに他ならなかったのではないかと今になって思う。それにしても高倉健はこの頃から紛うことなく「高倉健」だったんだな、というか本当にこういう演技しかできないんだな、と改めて知ることができるいい機会ではあった。あまりにも朴訥であまりにも飾り気のない演技は確かに「フレッシュな新人俳優」とはお世辞にも言い難い。そもそも本作については本人も全く乗り気じゃなかったらしいし。だから彼が極道映画という活路を見出すことができて本当によかった。でなきゃド三流の大根役者として映画史の闇に葬り去られていても不思議ではなかったと思う。

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因果