浅草の鬼
劇場公開日:1955年8月14日
解説
内外タイムス連載の浜本浩の原作を「獄門帳」の井手雅人が瀬川昌治と共同で脚色し「月に飛ぶ雁」の松林宗恵が監督、「娘の縁談」の秋野友宏が撮影を担当した。主なる出演者は「娘の縁談」の根上淳、「幻の馬」の北原義郎と見明凡太朗、「つばくろ笠」の山根寿子、「講道館四天王」の伏見和子など。
1955年製作/93分/日本
原題または英題:Troupers of Asakusa
劇場公開日:1955年8月14日
ストーリー
浅草三社祭の夜ロッキー座の支配人河野が何者かに殺された。座には新支配人羅生が入って来た。河野の遺児梅子は座の踊り子であった。梅子を秘かに恋する浅草の鬼と呼ばれる旗野梧郎は座を去った旧座員達に背いて座に残っていた。しかし梅子は梧郎の思慕をよそに素人写真家新田を知り愛しあうようになった。梧郎を恋する女掏摸お新は祭の夜すり取った財布のことから河野を殺したのは浅草のシャボン玉売りお喜代の一人息子貫一であることを知った。貫一は羅生の子分原田にそそのかされてこの罪を犯したのであった。一方河野殺し担当の安斎刑事も事件の背後に羅生とその親分のボス黒島が介在しているのをかぎつけた。梧郎もまた羅生達を怪しいとにらみ始めた。暗殺代をもらいに浅草に戻った貫一は話のもつれから原田を殺し彼自身も羅生に殺された。羅生は大阪に高飛びしようとしたがすでに警察の手の廻ったのを知ると梅子をさらって向島の倉庫街に逃げた。それを知った梧郎も後を追った。安斎刑事も警官隊と共に逮捕に向った。激しい射ち合いと格闘の末に一味は捕縛された。梅子は梧郎に救われ新田にいだかれた。それを見ながら淋しく去る梧郎を追うのはお新であった。