三つの顔

劇場公開日:

解説

「猿飛佐助」の井上梅次が舛田利雄と共同執筆のオリジナル・シナリオを、井上梅次が監督する。撮影は藤岡粂信、音楽は「女中ッ子」の伊福部昭の担当。出演者は「おしゅん捕物帖 謎の尼御殿」の三國連太郎、「あした来る人」の新珠三千代、「猿飛佐助」の水島道太郎、「春の夜の出来事」の伊藤雄之助など。

1955年製作/100分/日本
原題または英題:The Reunion
配給:日活
劇場公開日:1955年8月9日

ストーリー

ビルマ戦線で命を助け合った三人の戦友、岸健一郎、志賀英治、小林大三は、引揚者でゴッタ返す品川駅のホームで、五年後の再会を約束して別れたが、その五年の才月は早くも流れ去り再会の日は近づいてきた。大三は今ではニコヨンで、貧しい中にも再会を楽しみに僅かの金を貯めていたが、ある時空腹のために倒れた。それを助け起した仲間のリーダー格の源さんは、その事情を知り仲間達から無理して彼の再会のための費用を集めてやった。志賀英治は拳闘家になり、選手権試合を前にして、相手の村山に勝ちを譲れば三〇万円やると誘われていた。一途な彼ではあるが、肺を止む恋女房の国江を見ては誘惑に負けざるを得なかった。岸健一郎は、帰国して頼りになる唯一の姉真理がボスの篠田の情婦になっていたので、自分も篠田に踊らされて警察に追われる身となっていた。真理は妊娠してしまい、篠田は彼女を見捨てて逃亡しようとしていた。さて再会の日、覚えていて東京駅の約束の場に待っているのは大三だけだった。がっかりした大三はふとテレビで英治の闘う姿を見て声援に行った。それに気付いた英治は八百長も忘れて村山をダウンしてしまった。再会を喜ぶ大三と英治。だがその頃、警官に追いつめられた建一郎は、ガスタンクの上で最後の瞬間を待っていた。

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