水戸黄門漫遊記 天晴れ浮世道中
劇場公開日:1954年12月21日
解説
「喧嘩鴉」の若尾徳平が脚本を書き、「地獄への復讐」の酒井辰雄が監督する。撮影は「地獄への復讐」の関根重行、音楽は「母千草」の米山正夫の担当。出演者は「怪猫腰抜け大騒動」の花菱アチャコ、「明治一代女」の北上彌太郎、「地獄への復讐」の淡路恵子、「地獄の花束」の大坂志郎、「満月狸ばやし」の清川虹子、川田晴久などである。
1954年製作/94分/日本
劇場公開日:1954年12月21日
ストーリー
天下の副将軍水戸光圀は助さん格さんと漫遊の旅を続けていたが、東海道沼津の宿にさしかかった時、とある掛小屋で「水戸黄門漫遊記」と題する芝居が掛っているのを見つけ、面白がって見物していると、突然奉行配下の役人が乗りこみ座頭沢村藤蔵を召捕えて仕舞った。それは藤蔵の養女お菊に野心を抱く悪奉行西岡平太夫が、今度の芝居を理由に藤蔵を罪に落し、お菊を渡せば放免すると難題を吹っかけているのだということを知り、光圀は危いところでお菊を救った。それから光圀主従は、藤蔵一座と共に愉快な旅をしたが、やがて彼等とも別れ、掛川宿では老公と瓜二つの大和屋という商人と知り合い同宿することになった。光圀は大和屋が実は九紋竜の長次と云う札付きのごまの縄だと云うことを知ったが、長次のさっぱりした気持を見こんで一行に加えた。この長次は女に惚れっぽいのが悪い癖で、米原に近い渡し舟でも白狐のお柳という女いかさま師にフラフラとなり、そのため一行は胴巻を抜かれてしまった。責任を感じた長次の案で、その夜は土地の親分荒浜の安五郎一家の世話を受ける事になったが、丁度その夜、一本松の義平一家から果し状が届いた。老公主従の働きでこの騒ぎは静まったが、この一件で義平の妹と分った白狐のお柳は更生を誓って長次と夫婦になった。一方この間にお菊とその兄寺井軍次郎に会った老公は、兄妹の父が松山藩の勝田庄左衛門の闇打ちに会ったことを知り、共に松山に乗りこんだ。そして権力をかさに悪政を重ねる城代家老中橋刑部の横暴を知り、彼を御役目御免にすると共に、その輩下たる勝田を兄妹に討ちとらせた。そして老公主従は藤蔵一座、長次、お柳、寺井兄妹らと共に再び漫遊の旅に立った。