若い人たち

劇場公開日:

解説

「どぶ」に次ぐ近代映画協会の第八回自主作品で、全国銀行従業員組合連合会と提携して製作される。「どぶ」と同じく新藤兼人(泥だらけの青春)と棚田吾郎が共同で脚本を執筆し、「足摺岬」の吉村公三郎が監督する。撮影も同じく「足摺岬」の宮島義勇で、音楽は「泥だらけの青春」の伊福部昭の担当。出演者は「泥だらけの青春」の乙羽信子、「太陽のない街」の日高澄子、岸旗江、信欣三、原保美、「村八分」の中原早苗、「学生心中」の金子信雄などである。

1954年製作/118分/日本
配給:新東宝
劇場公開日:1954年11月8日

ストーリー

老銀行員小宮良介の娘阿佐子は、矢張り銀行の女事務員として働いていたが、毎朝誰よりも早く出勤して、掃除をしたり自分の当番でなくてもお茶を配ったりするので、反って他の女子行員達の反感を買っていた。或る日、良介は、銀行が差押えた工場の競売に債権者の代理人として出張したが、逆上したそこの工場主に殴られて昏倒してしまった。父入院の報をきいた阿佐子が、早退けして病院へかけつけようとした時、テーブルの上にあった筈の小切手が紛失して大騒ぎになったが、それは扇風機に吹きとばされて床板の隙間にはさまれたものと分って、一同はがっかりした。暫くして箱根への一泊旅行が行われた。病床の父が気になる阿佐子は泊らずに帰京したが、丁度これも泊らずに帰る戸川と一緒になり、しみじみと語り合ったが、これが女子行員達の間に早速話題のタネをまいた。扨て、銀行では全国的に貯蓄獲得運動を開始することになり、女子行員達も街頭にかり出されマッチ配りなどやらせられた。過労のために房江は倒れた。結婚すれば止めさせられるか転勤させられるというので、房江は病気療養中の夫がいるのをかくして働いていたのだった。房江を見舞った阿佐子は、帰りに戸川の下宿へも寄ったが、そこで久子と会い二人はややバツの悪い思いをした。銀行の顧客である坪井という男は、以前から阿佐子に好意を寄せていたが父の療養費に無条件で十万円貸してくれた。その頃の組合大会で労働強化に反対した戸川は静岡へ転勤させられることになった。一方銀行では現金十万円紛失の事件が起り、阿佐子の父の療養費に十万円支払われていることから、彼女に嫌疑がかかった。だが金はあっけなく見出された。しかし坪井は公金費消で留置場にいた。それは阿佐子へのためだった。転勤する戸川を見送る久子、そして阿佐子は坪井の自由になる日を静かに待っている。

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