再会(1953)
劇場公開日:1953年7月7日
解説
直木賞作家久生十蘭の原作を「煙突の見える場所」の小国英雄が脚色、「乾杯!東京娘」の木村恵吾が監督にあたった。撮影は「チャタレー夫人は日本にもいた」の高橋通夫、音楽は「雨月物語」の早坂文雄。「妖精は花の匂いがする」の森雅之、久我美子、木村三津子のトリオに、「愛情について」の三國連太郎、「日本の悲劇」の柳永二郎、「プーサン」の伊藤雄之助、文学座の三津田健などが主なキャストである。
1953年製作/126分/日本
劇場公開日:1953年7月7日
ストーリー
戦争のさ中、修は兄夫婦の勧める気の進まない見合いに行く途中、日比谷公園の音楽堂で隣席の秋子と知合って心をひかれ、見合の相手田鶴子との縁談を断った。秋子は田鶴子と親しい友達で、二人は期せずして同じ男性を恋したのだが、秋子だけがこれを知った。田鶴子も修も気がつかなかった。孤児の秋子は叔父高島少将の家に育てられ、その子憲兵少尉忠雄は秋子を手に入れるため、土曜日ごとに音楽堂で会う修との間を、都下浅沼伍長に命じて邪魔させた。が、彼女の心が修を離れないと知るや、手を廻して彼を北海道の部隊に召集する。凡てを知った田鶴子は秋子を助けて、ようやく途中の駅で二人を会わせた。暴逆な軍隊の生活にたえられなかった修は、終戦の直前に脱走し、青函連絡船で投身自殺した男の服装を身につけて巧みに忠雄の目を逃れた。しかし秋子は修が自殺したものと信じ、忠雄は敵の空襲に死んだ。敗戦後秋子は板前の職に戻つた浅沼の世話で球つき屋で働き、空襲で負傷した病気の田鶴子を養っていたが、その入院費に困り、ついにボス矢田部から借金の代償に貞操を奪われた。その帰途、生きている修と再会し、田鶴子も手術して全快したが、秋子は思い出の音楽堂に結婚できない汚れた身を告白して毒薬自殺した。