青色革命

劇場公開日:

解説

毎日新聞連載の石川達三の小説を「恐妻時代」の猪俣勝人が脚色、「プーサン」の市川崑が監督した。撮影は「妻」の玉井正夫、音楽は「プーサン」の黛敏郎。美術に新進女流ディザイナア村木忍が登場している。「母波」の千田是也、「逃亡地帯」の久慈あさみ、三國連太郎、「プーサン」の伊藤雄之助、加東大介、「銀二郎の片腕」の木暮実千代「真珠母」の沢村貞子などの他、俳優座の新人太刀川洋一、「思春期」の江原達怡、俳優座の青山杉作、中村伸郎などが出演。

1953年製作/107分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1953年6月10日

ストーリー

小泉先生はちょっとは名の通ったブルジョワ歴史学者だが、学問上の論争で古巣日新大学を去って以来は、読書と高校用参考書の執筆に無聊をなぐさめる浪人暮しである。彼の二人の息子たち、大学生の順平、高校生の篤志はそのような父にあきたらない。憂欝インテリ型の順平は新聞社の入社試験に失敗してからは冷酷なる社会への反抗と称して、篤志をかたらい友人相手の高利貸をはじめる。父の説教もものの数ではなかった。彼の左翼的言辞を先生は気にするが、恒子夫人はパチンコも共産党もハシカみたいなものと達観してすましている。母としての自分の愛情に自信をもっているゆえでもあった。この家の下宿人、優男の福沢君は先生の姪、少々アプレがかった映画雑誌記者美代子さんに参っているが、したたかな彼女に奔弄されるばかり。当の先生もむかしの教え子と自称する犬飼なる怪狼人に料亭に連出され、そこの女将お須磨さんに老いらくの艶情をおぼえる。美代子さんは恒子夫人のお膳立てで先生の後輩鴨井助教授と見合いするが、「禿はきらいよ」と一蹴、しかし厚かましい鴨井さんは彼女の社に三回もおしかけプロポーズする。するうちに順平の事業が闇金融取締りにひっかかり、犬飼の尽力でようやく釈放はされたが、このところ彼も失意つずきである。そうした青年の在りようをみるにつけ、先生は教壇復帰の希いはつよまるが、論敵で文学部長の久松教授との折合いがつかず、日新大学へのカムバックはかなわない。しかし順平の心にも篤志の級友春江との初恋で仄かな希望が芽ぐみはじめ、美代子さんも福沢君の純情にほだされて彼と結婚することになった。お須磨さんが犬飼の手中にあることを知って一時はがっくりした先生も、やがて正岡総長の礼を尽した懇請により、日新大学の教壇に返咲くこととなった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く