怪談深川情話

劇場公開日:

解説

「利根の火祭」の企画をした高桑義生の原案で、「月から来た男」の犬塚稔が脚色をし、同じく監督に当たっている。犬塚稔の監督作品は「元禄水滸伝」に次ぐものである。出演者は、「死の街を脱れて」の水戸光子、「阿波狸屋敷」の堀雄二、「銭形平次捕物控 地獄の門」の長谷川裕見子の他、進藤英太郎、市川小太夫、星ひかる、潮万太郎などである。

1952年製作/91分/日本
配給:大映
劇場公開日:1952年7月24日

ストーリー

芸は達者で器量よし、それに男嫌いで通った踊りの師匠若柳吉登世の弟子お久は、請負師熊本傳次郎の後援で派手な名披露目をした。お久はその後援のため養父母と傳次郎との間で自分の体が取引されているのを知らなかった。熊本組に厄介になっている相良新吉は、その話を小耳にはさむとお久を救って吉登世の元へ送り届け、吉登世はお久を知り合いの寺に匿ってやった。そんなことから新吉と吉登世は深い仲になったが、傳次郎も年増盛りの吉登世に食指を動かし始めた。そして新吉をつけ狙ったので、吉登世はお久を手元に引き取って、今度は新吉を寺へ匿わなければならなかった。ある日女中に代わってお久が新吉の元へ弁当を運んだことから吉登世にはお久への嫉妬が芽生え、お久は養父母の元へ帰された。お久は養父母の所にもいたたまれず、吉登世を頼って帰ってくるが、吉登世にとってはそれが新吉との間を疑う種になった。新吉はそんな生活に耐えられず、吉登世に別れ話を持ち出した。その時ふとしたはずみで吉登世は顔に醜い傷を負ってしまった。吉登世の看病をしている新吉の所へ家出したお久が訪ねてきて、二人で外へ出ている間に、吉登世は傳次郎の刃で殺されてしまった。顔半面に醜い傷を負った吉登世の亡霊が、傳次郎、新吉、お久を次々と破滅の淵へ誘い込んでしまうのだった。

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