少女妻 恐るべき十六才
劇場公開日:1960年10月8日
解説
飯田光雄と渡辺祐介の共同オリジナル・シナリオを、新人・渡辺祐介が監督した、少女たちの実態を描くもの。渡辺監督は、昭和二十六年東大文学部卒、三十三歳。撮影は須藤登が担当した。
1960年製作/81分/日本
原題または英題:This Greedy Old Skin
配給:新東宝
劇場公開日:1960年10月8日
ストーリー
盛り場のビート喫茶--そこでは十六歳前後の少女達がヤクザの監視のもとに、売春を強いられている。ユキもそういう女の一人だ。地廻りの五郎を知ってから、ユキはこの泥沼を脱したいと願うようになった。五郎はユキを愛している。人事異動が行われ、二人にとっては障害が出来た。ユキは支配人を夫にすることになり、もう二人は自由に会うことは許されない。五郎は銀子に助けを求めた。銀子はかつて黒木というヤクザを愛し、敗れた女である。堅気になった黒木が銀子を訪ねて来た。銀子は若い二人に脱出のため尽力することを約束した。二人の計画を思いとどまらせるような事件が起きた。子供が出来たことから情が移り、客をとることを嫌がった同僚のひろ子と本間がシマを飛び出そうとしたところを見つかり、虐殺されたのである。しかし脱出の意志は一そう固められた。約束の日、ユキはスキを与えぬ支配人のもとから逃れることが出来なかった。銀子の努力で二人は再び会い、次の機会の手筈を整えた。行先は富士山麓の黒木のところだった。二人の背後には殺し屋三宅の眼が光り、二人が山麓につく頃、銀子は消されていた。三宅一味は間もなく二人を襲った。かつて黒木に一命を救われたという三宅の寝返りで、一応の危機を脱した。ハジキのブラックといわれた黒木に三宅は勝負を挑んだ。二つのコルトが同時に火を吐いた。黒木の腕は鈍っていなかった。もう誰も、ユキと五郎が堅気の生活に入る幸せを邪魔する者はいない。黒木は静かに二人のもとを去った。