爆破命令
劇場公開日:1960年7月20日
解説
麻薬特捜班員の活躍を描いたアクション・ドラマで、「特捜班5号」のコンビ秋元隆太の脚本を野村孝が監督した。撮影は萩原泉。
1960年製作/51分/日本
配給:日活
劇場公開日:1960年7月20日
ストーリー
深夜の国道で大型トラックが爆発した。事故現場に王英漢の焼けこげた旅券が落ちていた。彼は戦後最大の麻薬王で、犯行は一味の裏切者に違いない。特捜班は香港からの動静を待った。数日後、香港から陳という男が来日した。彼の身柄は吉田があずかり、護衛に“早射ちの武”をつけた。吉田の事務所で陳は紀子という娘に会った。彼女の父は半月前から行方不明。陳の質問に、彼女は何も語らない。父親の行方不明は爆破事件の二日前からだった。武には護衛以上の役目があった。が、腕は陳の方が上だった。武は戦争中のある事件から人間嫌いになっていた。紀子と陳は父が姿を消した病院に行った。彼はやはり麻薬患者だった。その帰途、二人は見知らぬ自動車に襲われ、紀子が拉致された。陳は紀子の部屋から一枚の写真を発見した。それには王と紀子の父が写っていた。陳は数年前の中国人怪死事件を思い出した。本物の王は一年前に死に、贋の王が香港と取引をつづけ、それを知った紀子の父を王の身替りに爆死させたのだ。彼は陳を狙っている。吉田が臭い。二人は対決した。吉田は拳銃をかまえ“陳さん、いや井上特捜班員、香港からの連絡で、貴方こそ陳の身替りだ…”武が入って来た。“俺にまかせろ!”武は陳に拳銃を与えた。パトカーのサイレンが聞こえた。吉田が逃げた。陳が後を追う。死闘が展開、吉田は動かなくなった。武は陳が自分の身替りに戦犯の罪を引き受けた井上少尉の弟だと知っていた。紀子は陳を探した。どこにもいない。犯罪から犯罪を追うのが陳の任務だった。紀子の心には陳の面影がいつまでも消えなかった。