闇に光る眼(1960)
劇場公開日:1960年3月30日
解説
島田一男の「俺は見ている」を阿部桂一が脚色、「おヤエの初恋先生」の春原政久が監督したアクション・ドラマ。「傷だらけの掟」の山崎安一郎が撮影した。
1960年製作/50分/日本
原題または英題:Fighters on Passage
配給:日活
劇場公開日:1960年3月30日
ストーリー
暴力事件続発--。非番を新妻の好子と楽しんでいた庄司刑事は、暴力団狩りこみの非常召集をうけて出署した。兄の非常召集の時には弟の繁夫が好子と留守居するのがならわしだった。繁夫は、兄に内緒でアルバイトをしている喫茶店ロンバートへ欠勤の電話をかけたが、ロンバートではマダムの静江が電話をきいてなぜかニヤリとした。庄司は署で新米刑事の遠藤に狩りこみの要領を教えた。遠藤は中村部長刑事の娘貴美子と近く結婚する。ロンバートは暴力団東西組の根城で、政吉を囲んですでに狩りこみを察知していた。狩りこみは果して不成功、大物の東西組になぜ情報が度々もれるのか、解せないことだった。その頃、三宝事件が起った。三宝製薬からヘロインを奪い、守衛が殺された。落ちていたピストル型ライターを手がかりに、東西組を睨らんだが、証拠は不充分だった。署内は殺気立った。庄司も繁夫からアルバイトさせてくれと言われ、激怒した。両親を失い、兄一人の手で育てられた繁夫だったが、今度ばかりは反抗して家を出てしまった。繁夫を愛想良く迎えたのはロンバートのマダムで、その歓待ぶりを政吉が苦々しく見ていた。遠藤刑事は時計屋の主人から、東西組のチンピラがピストルライターを奪ったこと、ロンバートが根城で、しかもそこで繁夫が働いていることを聞きこんだ。ロンバートの二階で静江と政吉の話をもれ聞いた繁夫は、狩りこみの情報をもらしたのが自分のかけた電話であったことを知って愕然としたが、すでに遅く政吉に監禁された。仕打ちのひどさに繁夫をかばう静江を見て、嫉妬に狂った政吉は静江を射殺した。遠藤刑事の報告に警察側はロンバートを包囲した。必死の抵抗を試みた繁夫のために、政吉は庄司の拳銃にあえなくその命を断った。弟は兄に深く詫びた。