女は抵抗する
劇場公開日:1960年3月8日
解説
女プロモーター・渡辺美佐をモデルにしたもので、「あゝ特別攻撃隊」の長谷川公之の脚本を、市川崑に師事していた弓削太郎が初めて監督した。撮影は「野火」の小林節雄。
1960年製作/84分/日本
配給:大映
劇場公開日:1960年3月8日
ストーリー
矢代美枝の父はベテランの興行師だったが、仲間の妨害から手持ちのバンドを横取りされプロダクションの崩壊とともに死んだ。美枝にファイトが燃えはじめたのはその時からだ。卒業を目前にした女子大生美枝の行動が開始された。人気バンド「グリーンガイズ」のリーダー久慈をくどいて、人気を二分する「ゴールデンキングス」とのジャズ合戦を企画した。美枝は久慈と、そして相手バンドのリーダー佐山をマネージする白崎興行の社長白崎をもくどいてその実現に成功した。空前のヒットだった。勝負は久慈の「グリーンガイズ」が勝った。敗けた白崎は、かつて美枝の父の世話を受けながら父をあざむき死に追いやった男だった。美枝は秘かに泣いた。矢代プロの代表となった美枝は、さらに活躍した。彼女に時折批判と忠告をする久慈は、美枝を愛していた。ジャズは、まもなくブームの波から消えていった。美枝はロカビリーに目をつけた。劇場側ではこの企画を危険視した。美枝はお百度を踏み、ようやく実現した。成功だった。ロカビリーは完全に十代を支配した。しかし、そのロカビリー・ブームもマスコミからほうり出され短命に終ってしまうことを美枝はすでに見抜いていた。次の流行はなんだろう。彼女にもまだつかめないが、いつもたくましい闘志に燃えている。