とめてくれるなおっ母さん
劇場公開日:1969年6月7日
解説
新人の田向正健と南部英夫が脚本を執筆し、田向が監督した青春喜劇。撮影は「吸血髑髏船」の加藤正幸が担当。
1969年製作/86分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1969年6月7日
ストーリー
チュー、半次、ハチの三人は街のチンピラ。彼らは、やくざの世界を“男の中の男の世界”と憧れていた。兄貴分のジョーは、そんな三人を春陽会の正式会員にした。ある日、春陽会の幹部が、全員逮捕された。人情に厚い三人は、ジョーの子供春樹と赤ん坊の世話をすることにした。それから数日、ジョーの女房が仮釈放で帰って来た。しかし、三人が喜んだのも束の間、彼女は外の男のもとへ行ってしまった。そして、ジョーもまた別の女と逃げてしまった。幹部のために尽し、別の勢力には預かる事務所に殴込まれ、苦労したあげくに残ったものはにくらしいジョーの子供だけだった。そんなおり、チューの妹から手紙が届いた。それには町の有力者から土地を売れと脅迫されていると書かれていた。翌日、三人は街でまきあげた金で旅装を整え、二人の子供を連れて空路北海道に向った。ところが、チューを待つはずの家は焼跡と化し、母妹の姿はなかった。三人は探し出したチューの母妹から事の始終を聞いて怒りに燃えた。その夜、有力者の家へ単身で乗込んだチューが無残な姿で戻って来た。兄弟の死体を前に復讐を誓うハチと半次。二人の突撃はすさまじく、有力者は息の根を止められた。翌日二人は、チューの墓前で、ジョーの子供の世話をチューの母妹に頼み警察の車に乗った。その時、あのにくらしかったガキが、泣きながら車を追いかけて来た。二人は溢れる涙をとめることができなかった。