三匹の女賭博師
劇場公開日:1967年11月15日
解説
「爆弾男といわれるあいつ」の下飯坂菊馬がシナリオを執筆し、「女の賭場」の田中重雄が監督した“女賭博師”シリーズ第四作目。撮影は「砂糖菓子が壊れるとき」の中川芳久。
1967年製作/87分/日本
原題または英題:Thoroughbred Women Gamblers
配給:大映
劇場公開日:1967年11月15日
ストーリー
女の胴師として優れた腕を持つ千加は、陣馬組二代目の祐一の婚約者だったが、祐一が女をつくって家を出て以来、病床に伏している祐一の父惣介の看病をしながら、一家の家計をも支えていたのである。惣介の娘で大学生の夏子は、親ゆずりの血のせいか賭けごとが好きだったが、千加のそんな苦労は知らなかった。組が落ち目になってからただひとりとどまり、千加の手助をしてくれるのは鉄雄だった。千加は陣馬組の最後の財産であるクラブ「シド」のマダムもしていたが、陳馬組代貸鏑木が店を手に入れようと狙っているのを知らなかった。鏑木はまず夏子に近づき、一方、情婦で女賭博師のかおるを祐一にあてがって機会をうかがっていたのである。祐一は麻薬常習者になりながらこの町に舞い戻っていたのだ。一方、千加は、家計が逼迫し、借金のあてもなくなると、しばらくやめていた賭場通いを始めた。そんな千加に、鉄はいつもつき添っていたが、それが夏子の疑惑を招くようになった。そこに目をつけた鏑木は、奸計を用いて千加と鉄雄を連れ込み宿に誘い出し、その現場を祐一に見せたのである。祐一は鏑木にそそのかされて千加を刺そうとしたが、逆に鉄雄に傷を負わされた。しかし、このことで千加は陣馬の家を追われてしまった。鏑木は「シド」のマダムにかおるを送り込んだ。だが、夏子は彼女が気に入らず、何かと対立するのだった。立場の危うくなったかおるは、祐一との間を夏子にぶちまけ、慰藉料の代りにと、「シド」を賭けて博奕を挑んだのである。ようやく鏑木の計略と知った夏子だったが、ゆきがかり上、かおるの排戦を受けた。しかし、プロの博奕打ちであるかおるに、素人の夏子がかなうはずもなかった。一方、千加は、料理屋の女将のたみの温かい思いやりから、店の仕事を手伝うようになっていたが、夏子とかおるのことを知って慌てて賭場に駆けつけた。案の定かおるはイカサマで夏子をさんざん、もてあそんでいた。イカサマを見破った千加は、夏子に代ってかおるに対したが、かおるは、しょせん千加の敵ではなかった。その上、その辺一帯を縄張りにしている佐伯組のシマで賭場を開いたことから、鏑木もこの町にはいられない身となった。すべてが終った時、夏子は千加に謝った。だが、千加はこの町を去る決心をしていた。去っていく千加を、今まで秘かに愛していた鉄雄が追っていくのだった。