十七人の忍者 大血戦

劇場公開日:1966年1月26日

解説

「刑事 (デカ)」の池上金男と「間諜」の鳥居元宏が共同でシナリオを執筆、鳥居元宏が監督した忍者もの。撮影は「主水之介三番勝負」の赤塚滋。

1966年製作/87分/日本
配給:東映
劇場公開日:1966年1月26日

あらすじ

三代将軍家光が逝去し、その期を狙った由井正雪の謀叛が老中松平伊豆守のために失敗に終った動乱のころ。紀伊五十五万五千石頼宣は、秘かに鉄砲火薬を集め、甲賀忍者に守らせ、虎視耽々と将軍家を狙っていた。だが、これを察した伊豆守も、甲賀者を迎えた紀州家の謀略の狙いを、諸大名が江戸に集まる御代替りの大評定の日と考え、それまでの十日間に紀州の火薬鉄砲を破壊するように伊賀半蔵に命じた。しかし、この伊賀と甲賀の大血戦を前にしても伊賀忍者弓削新三郎は、ふと知りあった甲賀の頭目甚左衛門の娘結香が忘れられず、結香もまた新三郎に恋こがれていた。しかし、忍者の世界で他組との縁組が許されるはずはなかった。そんなうちにも、すでに伊賀と甲賀の和歌山城をめぐる血で並をあらう忍者合戦は始められていた。そしてある日半蔵は、暗闇にまぎれて大手堀を押渡るすて身の攻撃を敢行した。だが、これは甚左衛門にいち早く見破られ、罠におちた伊賀組は、攻めいった大部分が斬られ、半蔵は捕えられた。勝った甚左衛門は、さらに絶対の備えを期して、太鼓櫓の火薬鉄砲を墨館に移した。大評定の日はあと三日後に迫り、新三郎は火薬の有りかを探る窮余の一策として、くノ一下柘植の小猿を城に潜入させた。小猿は見破られ斬られながらも、死力を尽して半蔵に近づき、火薬が墨館に移されたことを告げた。一方新三郎へのつのる恋情を押えきれなくなった結香は、盲目の甲賀忍者大原三右衛門の助力で半蔵に会ってわけを話した。この盲目の忍者は、実は新三郎の実父だったのだ。結香は半蔵から、彼女の心の偽りがないことを証明する守り袋をもらい、新三郎のもとにかけつけた。守り袋には城の見取図と墨館の有りかが刻明に記されていた。新三郎はただちに手勢を引きつれて甲賀組を奇襲した。半蔵も、自ら得意の忍術で手枷の錠を外し、甚左衛門を斬り、爆薬を城に仕掛けた。この死闘で、甲賀組は全滅し、勝った伊賀組もその大半を失った。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0 ある意味、斬新?

2025年10月30日
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鑑賞方法:VOD

単純

1966年公開、配給・東映。
88分。

【監督】:鳥居元宏
【脚本】:池上金男、鳥居元宏

主な配役
【弓削新三郎(伊賀)】:松方弘樹
【服部半蔵(伊賀)】:大友柳太朗
【甲賀結香】:小川知子
【甲賀甚左衛門】:南原宏治
【大原三右衛門(甲賀)】:嵐寛寿郎
【紀州大納言頼宣】:近衛十四郎
【松平伊豆守信綱】:大木実

◆『十七人の忍者』の続編ではない。

時代劇(主にテレビ)をホームグラウンドとした鳥居元宏の初監督作品。

岡田茂の思いつきでタイトルだけ、
『十七人の忍者』の続編ぽくしたらしい。
鳥居は「十七人も出てきませんよ」と反発したと伝わる。

昭和らしいエピソードだ。

◆伊賀と甲賀

伊賀のヤングリーダー・弓削新三郎(松方弘樹)と、甲賀の姫君・甲賀結香(小川知子)の恋物語が仕込まれていて、山田風太郎の『甲賀忍法帖』を思わせる設定。
※『甲賀忍法帖』は弦之介と朧。

『甲賀忍法帖』のほうが古い(連載開始1958年)ので、アイデア拝借した可能性もある?

大友柳太朗や嵐寛寿郎、近衛十四郎など時代劇の重鎮たちも登場し、なかなか重厚感がある。

◆設定に無理が?!

紀州大納言頼宣が登場するとなれば、おなじみ?の家督相続争いですね。
一戦交えるべく、徳川頼宣が密かに貯蔵した武器弾薬を巡り、伊賀と甲賀がぶつかる。

いや、こんな大任、忍者の職務分掌ですかね?(笑)

当時の建築物など木造なんだから、
忍者だったら、
在り処がわかったら、火矢でも爆薬でも使って放火すれば良いのに…
なんて野暮なことは言ってはいけない。

◆まとめ

本家の『十七人の忍者』より、展開がスピーディーで面白い。

ただ、嵐寛寿郎があっけなく退場したのは残念。
まだ息のある味方を盾に嵐寛寿郎(大原三右衛門)を葬る松方弘樹。

うわ!卑怯者め!
でも、ある意味、斬新?

一連の「集団抗争時代劇」を観て改めて思う。
黒澤明はやっぱスゲーわ。
☆3.0

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Haihai

3.5 何故殺さなかったのか?

2025年10月1日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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Yohi

5.0 17人の忍者 大血戦

2025年7月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

笑える

まったく期待せずに観たが。
身近な地域の伊賀忍者と甲賀忍者の熾烈な闘いの中で😉
忍者版ロミオとジュリエットのラヴ・ストーリーも展開して楽しく懐かしく観られた。
実際は伊賀と甲賀は友好的で争いなどはしていなかったらしいが😉

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ヒデアキ