拳銃無宿 脱獄のブルース
劇場公開日:1965年12月4日
解説
阿部啓三郎の原作を、「剣鬼」の星川清司と「噂の風来坊」の石森史郎が共同で脚色、「ぼくどうして涙がでるの」の森永健次郎が監督したアクションもの。撮影は、「若草物語」の松橋梅夫。
1965年製作/80分/日本
配給:日活
劇場公開日:1965年12月4日
ストーリー
得意の早射ちで拳銃の鬼としてヤクザたちに恐れられた拳銃使い佐賀達次も、今は改心してヤクザな生活から足を洗い、地道な建設の仕事にいそしんでいた。一方達次とともに、小さいとき闇屋あがりのヤクザ武原に拾われた郷田剛は、武原の経営するナイトクラブを牛耳り、夜の世界を支配していた。そうしたある日、武原が受持つ高速道路の工事現場に、武原のライバル赤沢の清風会がなぐりこみをかけてきた。これを仲裁した達次は、武原の親会社である社長間島を説得して、高速道路建設の一部を赤沢に与えた。その結果、大阪の大親分曽根崎の手で、赤沢と武原の和解の手打ち式が行われた。が、その帰途武原は狙撃され、傷は浅かったものの二つの組の間には早くも険悪な空気がただよい始めた。そんな中に、達次と剛、それに達次を慕うデザイナーの一条由美子らの手で新しくクラブ・ゴールデン・アローが開店し、その開店祝いの夜、達次は武原の娘晴子と楽しげに踊った。由美子の燃やす小さな嫉妬の炎を知ってか知らずか……。数日後、武原組の倉庫の管理人が殺され、次いで赤沢も武原の子分工藤に惨殺された。そして、その工藤を殺したのは武原であった。いままでのすべての事件は、赤沢をおとしいれるための武原の陰謀だったのだ。武原の命令で剛が武原の身代りに自首し刑務所に送られた。そして、そんな剛をも、武原は殺そうとして面会時間に狙撃した。だがこれは失敗し、武原の底意を知った剛は、達次の助けで脱獄に成功すると、執ように武原を追って対決を迫った。一方の武原も多勢の子分をたよって剛を迎えうった。剛の危機を知った達次も、今やこれまでと敵の拳銃を奪い、得意の早射ちで、武原のやとった用心棒大迫らを撃退し、そのすきに剛は負傷しながらも武原を倒した。今や再び拳銃を手にしなければならなくなった達次は、彼を慕って追いすがる由美子をふりきり、あてのない一人旅にでていくのだった。