悪魔のようなすてきな奴
劇場公開日:1965年5月15日
解説
「拳銃無頼帖 流れ者の群れ」の松浦健郎が原作・脚色し「赤いダイヤ」の小西通雄が監督した風俗もの。撮影は「顔役(1965)」の星島一郎。
1965年製作/88分/日本
原題または英題:He's a Devil of a Man
配給:東映
劇場公開日:1965年5月15日
ストーリー
紋蝶四郎は有閑マダム相手の美容院を経営する美容師だ。蝶四郎には、戦乱の満州で両親を失い、信州の盲学校で教壇に立つ盲目の義妹美果があった。東海総業株式会社の会長一本松雷太は、広島の資産家一本松雷太の戦友であったが、原爆で一本松家が全滅し、戸籍が失くなったのを知ると、当時広島復員局の連絡将校であった熊野万骨の入れ知恵で、一本松家の財産を横領し、一本松雷太を名乗って、一大コンツェルンを築いたのだった。そして雷太は、蝶四郎、美果が生き残っているとは夢にも思っていなかった。蝶四郎は、一本松に復讐すると共に、自分の野望も達成しようとしていた。やがて雷太に近づいた蝶四郎は、一本松の隠し子だと名乗ると秘書の未知子を誘惑し、雷太の誕生パーティーに出席した。席上知りあった野心家取締役営業部長丹下は、蝶四郎を利用するため、人事課勤務にした。この頃、東海総業は、外国商社ウィルソン社との契約問題に、岡本社長が動いていたが、岡本は契約締決の帰途交通事故で他界した。そして、死体から契約書が紛失していた。すっかり弱気になった雷太は、美果を呼しで過去を告白した。一方丹下は会社の黒幕熊野万骨にとり入り、契約書紛失を理由に、岡本社長と許婚者であった雷太の娘汀との結婚による二面作戦を開始した。万骨の秘書冬子から、東海総業の内幕を知った蝶四郎は、更に丹下の秘書朱美を抱いて恐るべき真実を知った。雷太追い出しの株主総会に朱美を連れて出た蝶四郎は、「丹下が岡本の出世をねたみ、朱美の兄を使って岡本を殺害したが、社長になろうとする野心を会長にくつがえされるや、契約書紛失をネタに、会長失脚工作をした」と発表し、雷太の危機を救った。