おゝい、雲!
劇場公開日:1965年5月1日
解説
石原慎太郎の同名小説を瀬良時夫が脚色、「虹をつかむ恋人たち」の瀬川昌治が監督した青春もの。撮影もコンビの林七郎。
1965年製作/94分/日本
配給:東映
劇場公開日:1965年5月1日
ストーリー
大学入試に失敗して浪人生活を送る西条十郎は、重苦しい予備校生活に反発して、友人で大金持の息子・桑原俊夫や友竹泰助とつれだってドライブに出た。途中、建築雑誌の社長・三島房子の娘・雪子、礼子が乗るスポーツ・カーやS大重量挙選手・辰巳の車と衝突して大混乱。だがこの騒ぎも辰巳のとりなしで事もなく収まった。三島房子は十郎の父・健吾と昔馴染み。健吾は素晴しい才能を持ちながらも、飛びぬけた理想の持主故に業界の波に乗れない建築家だった。また十郎は、秀才大学生の兄健哉と大学生の姉・美和子の三人兄姉の末っ子だ。一方辰巳は、美和子の同級生で、友人の兄滝沢英介と同様に美和子に惚れていた。しかし美和子はそんな思惑をよそに建築設計技師山形に好意を寄せていた。この十郎兄姉にとって最も頭のいたい事は、過去三人の妻と死別した健吾の再婚問題だ。健吾と房子とは親しい間柄だったが、房子の父・河元清之介の反対で結婚にふみきれないでいた。一方十郎は、雪子にほのかな慕情を寄せていた。そんなとき、健吾・房子の仲をねたんだ建築評論家・江見が、二人を誹謗する記事を書いて世間にセンセーションを巻き起した。これを知った十郎は江見を呼び出すと得意のパンチを見舞った。さらに山県が江見の誤りを指摘する評論を書いて江見を失脚させてしまった。美和子はそんな山県の姿にますます惹かれていく自分を感じた。健吾と房子のわだかまりも解け、河元も二人の結婚を認めた。十郎は、父・健吾の設計する、国立スポーツランドの設計図を見て父の偉大さを再認識し、来年の大学入試合格を誓うのだった。