ウナ・セラ・ディ・東京
劇場公開日:1965年4月2日
解説
「僕はボデイガード」の山根優一郎がシナリオを執筆「明日の夢があふれてる」の番匠義彰が監督した歌謡ドラマ。撮影は「五瓣の椿」の川又昂。
1965年製作/81分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1965年4月2日
ストーリー
海外渡航の代理業・ニュージャパントラベルサービスに勤める香椎涼子は、東京空港で東亜物産中島常務と、駐在先のニューヨークで妻に先立たれて帰国した藤岡俊介に出会った。涼子は同僚の久子から、俊介の妻高子は中島常務の娘であったが、ノイローゼでニューヨークのアパートから投身自殺をしたのだと聞かされたが涼子の心は、俊介の冷たく厳しい顔に魅かれた。帰国した俊介は、同期の堀川から、次期社長問題で中島常務と海老原常務の決戦が近づいていること、そして、銀行筋や大株主の松本産業社長が、中島常務を推していることを知らされた。堀川は、海老原常務の重視する肥料部におり海老原社長実現に協力し、俊介の間に出来たハンディを取り戻すことにやっきとなっていた。高子の葬儀は、盛大に行われたが、中島常務は、俊介から娘が生前、俊介以外の男を愛していたことを知らされ愕然とした。その頃堀川は松本の愛人千春が経営するバーで、高子が最後に書いた手紙を読んでいた。堀川は、高子と交際しながら、千春とも密通し、千春を高子との橋渡しとして利用していたのだ。涼子は全てを知り、また俊介が情事を知りながら耐えているのを知って、俊介に強く魅かれていった。俊介が再び渡欧することになった。今は離れがたい気持が、涼子を恋人の岸田から離していった。一方堀川は松本に千春の情事が知れるのを恐れ、別れ話に泊った箱根の宿で、平然と後介の名前を使った。渡欧を前に郷里の札幌に帰った俊介に、中島常務の敗北が知らされ、俊介のロンドン行も中止と知らされた。だが俊介はアフリカ行を希望すると「あなたは岸田君と結婚して幸福になって下さい」と言い残すと機上の人となった。涼子は夕闇の中でいつまでも見送っていた。