勝負は夜つけろ
劇場公開日:1964年11月28日
解説
生島治郎の原作を「博徒ざむらい」の舟橋和郎が脚色「黒の凶器」の井上昭が監督したアクションもの。撮影は大角正夫。
1964年製作/90分/日本
配給:大映
劇場公開日:1964年11月28日
ストーリー
数年前、ヤクザ仲間の縄張り争いにまきこまれ、左足を失った義足の男久須見健三は、今小さなシップ・チャンドラーを経営していた。しかし金づまりから事業はかんばしくなかった。そんなとき専務の稲垣が耳よりな話をもってきた。バーのマダム斐那子が彼女の父親井関宅也を金主として紹介しようというのだ。そして、ある日久須見は、井関と会った。が、意外にも井関は数年前のヤクザ仲間で、久須見はこの井関のために左足を失ったのだった。井関は五百万円を条件に、久須見を密輸団に誘いこもうとした。久須見も背に腹はかえられず、密輸の用心棒になることを承知し、金を借りた。が、その翌日久須見に脅迫の電話がかかった。稲垣の妻千代を誘拐したから身代金五百万円を出せというのだ。久須見は、稲垣と会計主任阿南に金を持たせて約束の場所に向はせた。しかし二人は帰らず、やがて識別もつかぬほどに焼ただれた二人の死体を発見した。そして数日後、死体の一つが稲垣ではなく、井関の部下吉田であることが判明した。折も折、久須見が怪電話にあやつられて、やってきた稲垣家には千代の死体があった。その夜、何かを期待して待伏せた久須見の前に稲垣が現れた。麻薬患者の稲垣は、麻薬欲しさに吉田の誘惑にのり、身代金をまきあげ、さらに同行の阿南、吉田をも殺し、妻千代を脅かして吉田の死体を自分のそれと偽証させたのだった。しかし、久須見はこれが稲垣の単独犯行でないのを直感し稲垣をおよがせた。が翌日稲垣は死体となって発見された。その手には井関の犯行を示す遺書がにぎられていた。久須見は井関の動きを探ろうと、斐那子を訪れた。がその時銃声が起り斐那子がたおれた。裏切を知った井関の犯行だった。パトカーのサイレンを後に、久須見は悄然と港へ帰っていった。