成熟する季節

劇場公開日:

解説

山本洋原作『女子高校生』より、「光る海」の池田一朗と「どん底だって平っちゃらさ」の宮内婦貴子が共同で脚色、「波浮の港」の斎藤武市が監督した青春もの。撮影は「泥だらけのいのち」の高村倉太郎。

1964年製作/80分/日本
配給:日活
劇場公開日:1964年1月15日

ストーリー

北高校の二年生花木悠子は、派手好きな性格と美貌から、教員間でいつも議論を湧かす問題児であった。その心配が現実のものとなったのは、かつて町の喫茶店で一度会ったことのある、浪人中の峯行雄が、悠子に失恋自殺をしたからだ。学校側はあわてて教授会を開き悠子を呼んで事情を聞いた。だが非難の眼の中、悠子は堂々と「私の知ったことではありません」と教師達を驚かした。しかしそんな教師たちの間でも、英語の山中、国語の女教師奈井は温い目で悠子を見守ろうとしていた。中傷や興味の視線が悠子に集まった。親友も離れていったが、同級の番村麟太郎は、いつも、悠子をなぐさめていた。母一人、子一人の貧乏暮しの番村はバイト生活でコツコツとかせいでいた。山中先生は、悠子の指導方法を考えた末部活動をさせることにし、新聞部に入れた。新聞部の部長は番村だ。「私は番村さんが好きだから入部したのよ」そういう悠子だが、番村には恋人がいた。それは奈井先生で勿論片思いだ。しかし悠子はしっとをおぼえた。ある日悠子はデパートに取材にゆきその魅力のとりことなった。それからの悠子は必死になって勉強したが、身長が二センチたりないばかりに、試験に受からなかった。やけになった悠子は何もかも憂欝になった。毎日、毎日夫婦喧嘩をくり返す父と母、一生懸命明るく生きようとする悠子の支えはレストランの見習いで張り切っている番村の励ましであった。文化祭の準備で大わらかの学校、悠子達も学園生活最後の秋を、楽しく過ごしていった。

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