交換日記
劇場公開日:1963年5月26日
解説
玉井美知子原作を鈴木政男が脚色、「どん底だって平っちゃらさ」の森永健次郎が監督した青春ドラマ。撮影は「機動捜査班 警視十三号応答なし」の松橋梅夫。
1963年製作/79分/日本
配給:日活
劇場公開日:1963年5月26日
ストーリー
高山虹子と八木啓介は高校三年生。啓介は虹子が好きだ。ある日、廊下にはり出された体育祭の写真の中に彼女のを見つけた啓介はこれをはぎ取った。写真紛失は大騒ぎとなった。啓介が虹子に会って自分が張本人だと白状した時、はじめのうちは怒っていた虹子も啓介の真面目さに好感をもった。これが縁で二人は親しくなっていった。デイトを重ねるうちにいつしか下駄箱を利用しての日記の交換が始まった。写真の件がクラスに知れてしまったが彼等は少しも気にかけなかった。虹子の家は貧乏なうえ、大工の父が負傷して困っていたので彼女はアルバイトにでた。そんな虹子を心配して啓介はあれこれ手伝ってやった。虹子が下駄箱を間違えたことから、二人の間の日記の交換も人に知れ、二人は学校へ行くのがいやになった。啓介はやさしい両親の下に裕福に育てられたが大学受験でいらいらしている彼は、両親になにかと当りちらすのだった。そんな不安定な気持も虹子との日記にぶちまけていたのだ。そんな頃、クラスの討論会でも「男女交際」について激論となり、ついには啓介と虹子にホコ先が集中、とうとう彼女は泣き出した。怒った啓介は大暴れのすえ、生徒に重傷を与えたので、退学処分寸前になってしまった。虹子を中傷した生徒達も自分達が行き過ぎだったと非を認め、啓介の善処を要望する運動を起し始めた。啓介は家出をしてしまい盛り場を遊びまわっていたが、いつも後悔の念にとらわれ、そんな気持を虹子にそっと手紙で打ち明けるのだった。しかし警察に補導され、自分の行動の軽はずみなことに気づいた啓介は素直なシンのある人間になっていった。退学処分撤回を知らせされた啓介と虹子はこの長い間続いてきた日記に火をつけた。青春の思い出ともいうべきこの日記から卒業して早く大人にならなければと二人は誓いあうのだった。