皆殺しの天使

劇場公開日:

皆殺しの天使

解説

「アンダルシアの犬」の異才ルイス・ブニュエルが1962年にメキシコで手がけた作品で、ある邸宅に閉じ込められたブルジョワたちがたどる意外な運命を、ブラックなブルジョワ批判を交えつつ描いた不条理劇。オペラ観劇後に晩餐会に招かれ、ノビレ夫妻の邸宅を訪れた20人のブルジョワたち。晩餐を終えた彼らは客間にすっかり腰を落ち着かせ、夜が明けても全員が帰る方法を忘れたかのように客間を出ることができなくなってしまう。そのまま数日が過ぎ、水や食料も底を突いて命を落とす者まで出現。ブルジョワたちの道徳や倫理が崩壊していく中、事態は異様な展開へ転がりはじめる。第15回カンヌ国際映画祭では賛否両論を巻き起こし、同映画祭の国際映画批評家連盟賞を受賞。日本では1981年にフランス映画社配給で劇場初公開。2017年12月、36年ぶりにリバイバル公開。

1962年製作/95分/メキシコ
原題:El angel exterminador
配給:アイ・ヴィー・シー
劇場公開日:2017年12月23日

その他の公開日:1981年8月1日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第15回 カンヌ国際映画祭(1962年)

受賞

国際映画批評家連盟(FIPRESCI)賞 ルイス・ブニュエル

出品

出品作品 ルイス・ブニュエル
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(C)1991 Video Mercury Films

映画レビュー

3.0意味の分からない不条理劇

2024年2月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

難しい

寝られる

誰も部屋から出られなくなり、
極限状態から人間の本性を暴く⁈

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ほんのり

5.0喉に引っかかった小骨

2022年11月19日
スマートフォンから投稿

怖い

興奮

知的

ある場所から出るためには、自ら殻を破るしかない。
外から介入出来ないのは、力ずくで引っ張り出す事は無意味、ってことなのかな。
山羊や熊が自由に動けるのは、人間じゃないから。
そんな考察なんて馬鹿らしい。
映画作品を観て、何をどう感じるか、無限の自由を、宇宙を感じる。
私は諦念と闘争を両輪の様に感じた。

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アメリカの友人

4.5リアリズムでは、表現できないこともあるし、表現がつまらなくなることもあるのです

2020年3月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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まろ

4.0繰り返しの美学

2020年1月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 ルーカスが辞めてしまったことと、不自然に飼われている熊と羊。絶対何かあるやろ!と、ワクワクしながらの鑑賞だったけど、熊は啼くだけ。3匹の羊は歩くだけ。ルーカスにいたっては登場すらしない。何だ?こいつらが犯人じゃないのか。と、ふと序盤の使用人たちが皆帰宅してしまう不思議な行動と、使用人の長(?)であるフリオの自然すぎる行動。ある意味、ミスリーディングな設定だった。

 また、そのフリオが招待客を二度案内するシーンがあり、ディナーでの二度の挨拶があるという不自然さ。二度同じことを言う人物もいたが、なぜ彼ら20人の招待客が閉じ込められたのかということへの疑問がそんな経緯さえも打ち消してしまった。とにかく、原因が全く見当つかない密室劇。普通のホラー、サスペンスであれば、誰かが壁を作ってしまったとか、テロリストに包囲されてしまったとか、強盗犯に拘束されてしまったとか、何かありそうなものなのに何もない。神の力によって“帰る”という意思を奪われてしまった様子なのだ。

 最初のディナー以外には食料はなく、二晩、三晩と過ぎる中で空腹や妄想に襲われるセレブたち。死者も出るし、不衛生で悪臭が漂う密室。駆け落ちしたかのような男女がクローゼットで抱き合ったまま、彼らも死んでしまう。水を飲むため壁を壊し水道管を掘り当てるという始末。互いにエゴを剥き出しにして罵り合う者。ホストであるノビレも事態を収めたいが成す術がないのだ。

 不条理劇と一言で表現するのは勿体ない。いざというときに何も出来ない富裕層と、空腹になったら紙でも食っちゃう使用人フリオの対比。力強く生きようとする者と厭世観漂わせる弱気な者。20人もの性格を比較するのは困難だが、みんな自己中であることだけは確か。また、彼らには見せかけの信仰心しか持ち合わせてなく、神なんて単なるアイコンにしか過ぎないこともわかる。これを現代でリメイクしたら、性欲描写も凄まじいものになるんだろうな・・・

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kossy
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