サラリーマン物語 新入社員第一課
劇場公開日:1962年8月26日
解説
小説読切所載川野京輔原作を「機動捜査班 東京午前零時」の宮田達男と大門三郎が共同で脚色、「週末屋繁昌記」の井田探が監督したサラリーマン喜劇。撮影もコンビの中尾利太郎。
1962年製作/73分/日本
配給:日活
劇場公開日:1962年8月26日
ストーリー
太洋化学の入社試験の日、堀川と沖野は吉川社長に猛烈な売り込みを開始、係員をあわてさせた。当日、自信を失った塩原は帰途、広告で知った世界製薬研究所に寄ってみた。セールスマンのいない貧乏会社で、前借りを切り出した塩原の度胸に、石川社長は惚れ込んだ。ところが皮肉にも塩原、堀川、沖野の三人は、いっしょに試験を受けた美しい四条美代子と太洋化学に採用がきまり、販売課に配属された。秘書課に籍をおく吉川社長の息子良太郎は美代子に心を惹かれるが、彼女は塩原に関心があるらしい。しかし、当人はそれどころではなかった。世界製薬へ金を返しに行ったときの石川社長と娘道子の言葉が気にかかってならないのである。「薬の研究に一生を賭けてきた父の夢を実現させてあげて……」と道子は、すがるようにいったのだ。そのころ、太洋化学は安井物産の傘下に加わることで他社より有利な地位を占めようと企み、吉川社長は息子の良太郎を、安井社長の令嬢と結婚させ、この工作を成功させたいと願った。しかし、良太郎は美代子に夢中で、彼女自身も彼の求愛に応じる気持になっていた。政略結婚を嫌う良太郎は美代子と駈け落ちしかねない。一方、道子の熱意に動かされた塩原は、自社の製品のセールスに回るかたわら、世界製薬の洗剤P35の売り込みに全力をつくし、その洗剤は大評判になった。が、太洋化学はそのあおりで売り上げが思わしくない。原因がバレて塩原は危くクビになるところを、堀川たちの発案で助かった。太洋化学が世界製薬を合併、P35を自社の販売網にのせることに決めたからである。吉川社長が良太郎の嫁にと考えていたのは、安井社長の令嬢美代子だった。彼女は太洋化学の内情をさぐるため入社していたのだ。かくて、良太郎と美代子、塩原と道子の二組はめでたく結婚にゴール・インした。