祇園の暗殺者

劇場公開日

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解説

「港祭りに来た男」の笠原和夫のオリジナル・シナリオを、「大江戸の鷹」の内出好吉が監督した幕末もの。撮影もコンビの杉田正二。

1962年製作/84分/日本
配給:東映

ストーリー

私の名は志戸原兼作……土佐浪士武市瑞山、吉岡寅之助らと手を握り、佐幕派の暗殺を企てる勤王の志士だ。ある夜、われわれの暗殺隊は目明し佐平の家を襲って、妻子まで斬り殺した。引きあげの際、戸の隙間から幼女が異様な眼差しで覗いているのが気になった。数日後、田代新次郎という若い浪士が、私を尾行していた刺客を斬った。彼は私の生国薩摩の漁師だが、大望を抱いて訪ねてきたのだ。九条関白家の島田左近を狙ったとき、逃げようとする左近を滅多斬りにした者がいた。それは残してきたはずの新次郎だった。駈けつけた役人のため私は不覚にも傷を負い、祇園の裏小路で町娘お鶴の手当をうけたが、その家には佐平の家で見かけた同じ幼女が私を睨んでいた。恐怖にかられた私は、殺した人々の供養にと寂光院で仏像の模写にかかったが、筆は思うにまかせず、人斬り稼業に愛想がつきた。そんなある日、私はお鶴に再会、彼女の父は佐平であり、暗殺の場面を見ていた妹がそれ以来発狂したことを聞いた。やがて、私は瑞山から江戸や水戸の同志を集めることを頼まれて京を後にした。江戸の薩摩屋敷で私は大久保市蔵から、瑞山らが、三条・姉小路両卿を勅使に担ぎ出し薩摩に代って天下に号令しようと策動、私を同志の邪魔者扱いにしていることを知った。急拠、京へ戻ると、邪魔な同志や侍が折られ瑞山の勢力をまざまざと見せられた。お鶴は舞妓として、新次郎と恋仲になっていた。折も折、江戸に向う幕府の御用商人嵯峨屋を石部の宿に襲ったが、私は物かげにひそむ彼を見逃してやった。祇園祭の宵宮の日、嵯峨の女房おえんが礼を述べにきて、妖艶な体を私の眼の前に横たえた。気分を新たに京の街に出た私の行く手を、瑞山、新次郎が阻んだ。拳銃が火を吐き、暗黒の世界に引き込まれて行く私の耳に、祇園囃子の音が次第に遠のいて行く。

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