早乙女家の娘たち
劇場公開日:1962年9月8日
解説
壷井栄原作『どこかでなにかが』を、「愛のうず潮」の堀江史朗と「女性自身」の樫村三平が共同で脚色、「愛のうず潮」の久松静児が監督する女性ドラマ。撮影もコンビの飯村正。
1962年製作/99分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1962年9月8日
ストーリー
都心から離れた郊外の早乙女家。両親はすでになく、長女初子が他家にかたづいたあと、次女松子が一家の柱として内職で生計をたてているが、タイピストの三女梅子、末娘で幼稚園の保母見習の竹子は、ともすればゆがんだ方向に走りがちな中学生の弟鶴亀に心を痛めている。弟の行動に同情的で明朗な竹子は、鶴亀がネリカン出の日下少年とつき合っているのが気がかりだ。松子も弟の身を案じればこそ、婚期を犠牲にしてまで内職にはげむのだった。家庭の事情で同じ会社の森川と結婚できない梅子は、失意のあげく酔って帰り、松子や竹子といい争った。姉たちの内輪もめを耳にした鶴亀は、新聞配達をやりたいといい出した。松子や梅子が結婚できずにいるのは、自分というお荷物のためだ……。そんなとき、吉村家に嫁いだ長姉の初子が早乙女家を訪れた。松子に縁談の口をもってきたのだが、ただならぬ気配を察し、鶴亀を預かることにきめた。鶴亀がいなくなると、松子は森川を自宅によんで梅子との縁談をまとめてやった。一方、鶴亀にとって、姉の家は幸福ではなかった。初子の夫辰郎は、松子を先輩稲取の後妻にと考えて鶴亀を引き取ったのである。ある日、中学校の田口先生がきて、松子に鶴亀を預けないかと申し出た。鶴亀が悪友と喫茶店に入って、補導員につかまったからだ。鶴亀が戻ると、みんなは早速家族会議を開いた。まもなく、愚連隊にそそのかされた鶴亀が、盗品を古道具屋へ売りに行ったことがバレて大さわぎになるが、田口先生や松子のとりなしで無事に済んだ。森川と結婚する梅子がアパートへ移ったあと、田口先生が早乙女家へ下宿することになった。近いうち、松子は田口先生の奥さんになるらしい……。