雲に向かって起つ
劇場公開日:1962年5月1日
解説
石原慎太郎原作週刊明星連載中の同名小説の映画化で、「黒いダイス」の池田一朗が脚色、「さようならの季節」の滝沢英輔が監督したアクションもの。撮影は「上を向いて歩こう」の山崎善弘。
1962年製作/99分/日本
原題または英題:Facing to the Clouds
配給:日活
劇場公開日:1962年5月1日
ストーリー
東日のかけ出し記者坂木武馬は、国会の中で迷子になり、副総裁の三上半兵衛と資料室の中藤礼子と知り合った。この礼子は数年前佐川という殺し屋に暗殺された代議士中藤の娘である。数日後、武馬は三上の孫娘由香に誘われてジャズ喫茶に行った。そこでは、ロカビリー歌手ケリー・藤が愚連隊に喧嘩を売られていた。驚いたことに、そのケリーをかばって立っているのが礼子であった。武馬は二人をかばって戦った。武馬は礼子から、ケリーが弟の紫郎であること、弟は父の仇を求めて歌手になったことを聞かされた。礼子には痛快会なる親衛隊を持っていて、父中藤のガードをやっていた塙がリーダーであった。数日後、武馬は国会記者クラブの会、強者会のメンバーに入れられた。そこで武馬はそのメンバーの一人芸者の花奴と知り合った。その花奴をアパートまで送っていった武馬は、花奴の隣部屋の女タキ子が中藤の死を予言したと聞き不審を抱いた。武馬はタキ子を洗った。タキ子の旦那はヤクザで政界にくいこんでいる東堂伍兵であることが判った。武馬は先輩の松村に頼んで中藤事件を洗わせてくれと頼み、許可をとるや、殺し屋佐川の故郷蒲郡に飛んだ。そこで、武馬は、佐川がすでに殺され情婦の河野美江が行方不明と判った。帰京した武馬は、痛快会と美江を探した。美江は葵クラブというコールガール組織にいることが判った。武馬は痛快会のトップ屋柏村と連絡をとりながら、葵クラブに近づいた。武馬は悦子というコールガールにホテルへ連れこまれた。そこには、タキ子が部下と一緒に武馬を殺そうと待っていた。だが、痛快会がとびこんできて武馬を救った。その時、タキ子は何者かのために射殺された。一方、タキ子が殺されたことの知らない花奴は、タキ子にかかってきた電話から、美江の居所を知った。美江は、東堂のために精神病院に強制的に入院させられていた。武馬は美江から、佐川の書いた遺書を渡された。それには東堂に頼まれて中藤代議譲士を殺したことが書かれてあった。一方、東堂の経営するクラブで歌っていた紫郎は、マネジャーの林を探ったことから、逆に素姓がばれて殺されようとしていた。そこへ、武馬と痛快会のメンバーが飛びこんで来た。東堂は警察にあげられ、岩見賢丈は召かんされた。