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解説

岡田茉莉子のプロデュースによるもので、中村真一郎の同名小説を、「雲がちぎれる時」の新藤兼人が脚色し、「水溜り」の井上和男が監督した文芸編。撮影も同じく堂脇博。

1961年製作/94分/日本
配給:松竹

ストーリー

音楽評論家の緒方は、友人の新聞記者久我山と会っているときに津島頼子と知り合った。彼女は室内装飾家グループに所属していた。緒方はオペラ歌手の牧子との関係を清算して新しい生活を始めようと思っていた時だけに、頼子の新鮮さにひかれた。数日経って、緒方は頼子を音楽会に誘った。二人は接近し、同棲へと発展した。日中でさえ、雨戸を閉めきって抱擁しあった。しかし、こうしたあまりにも甘い生活はそう永続きしなかった。おたがいが、本当に相手を理解できないところから破綻が始まりかけていた。緒方は気分転換のため山深い温泉に出かけた。緒方を追って頼子も温泉へきたが、二人の溝は埋まらなかった。頼子は昔のグループとの仕事に帰ることにした。家事のため、緒方家に頼子の姉民子が同居するようになった。民子はもともと頼子と緒方との結婚に反対だったから、三人の生活は気まずいものになった。牧子の後輩でノブエという新進歌手から電話があり、緒方は呼び出された。ノブエは、彼が以前愛情を抱いていた娘だった。緒方は暗い気持のとき、ノブエと会っていれば救われた。ノブエは緒方を尊敬してはいたが、同じ歌手仲間の田口を愛していた。まもなく、緒方と頼子には破局がやってきた。頼子は新しい恋人の鶴岡を愛していると告白した。緒方は頼子を自由にしてやった。久我山が、緒方に向っていった。「君は頭の中で架空の女を愛したんだ。頼子はその架空の女に近づこうとして、疲れて逃げ出したんだ」。

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