桜田門

劇場公開日:

解説

「濡れ髪牡丹」の八尋不二の脚本を、「唄は峠を越えて」の西山正輝が監督した井伊大老の半生記。「晴小袖」の武田千吉郎が撮影した。

1961年製作/92分/日本
配給:大映
劇場公開日:1961年5月17日

ストーリー

アメリカの領事タウンゼンド・ハリスが開国通商を迫って下田に現われた。下田奉行井上信濃守は狼狽したが幕府も攘夷開国の両派に分れ論議を戦わせるだけ。信濃守はハリスに下田芸者お吉を近づける。ハリスは将軍との面接を希望するが実現しない。当時、将軍家定は病弱、水戸斉昭は世継ぎに自分の息子慶喜を推したが、攘夷派の急先鋒斉昭に幕府の主導権を握らせると一大事、諸侯は彦根城主井伊直弼を大老職に起用、斉昭を抑え難局を収拾させることとした。直弼は世継ぎに紀州慶福を決め、家茂と改名、十四代将軍に就けた。一方、直弼は長崎帰りの勝麟太郎の意見を聞き、攘夷派の圧力を排除して独断でアメリカとの通商条約を結ぶことにした。この大老の専断は水戸の浪士を先鋒とする国中の攘夷派を刺激した。「大老斬るべし」の声は広がったが直弼は浪士たちを投獄し条約を調印、国威を宣揚するため勝麟太郎を咸臨丸に乗せアメリカへ向かわせた。三月三日、桃の節句には珍しい雪が降りしきる。妻の昌子に送られ邸を出た直弼の行列が桜田門外にさしかかった。このとき、待ちかまえた水戸浪士数十名が直弼に襲いかかった。有村次郎左衛門の一刀が直弼の体を刺す。苦痛に顔を歪めながらも、「若者たちよ目を開くのだ。目をあけて広い世界を見るのだ。すぐに新しい世界が……」と呟いて直弼はこと切れた。

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